ギイと音をたてて、重厚な扉が微かに開いた。。普通の人にとっても、重たい扉だ。
小柄で、普段から滅多に運動していない透輝にとっては、全体重をかけてようやく人1人分くらいが通れる隙間を作れる程度。
腕に力を入れて扉を支えながら、隙間から身体を滑り込ませた。扉の中は薄暗い。蒸し暑く太陽が照りつける外とは別世界のような冷たい空気が流れている。
「ほら、透輝」
後から入ってきた高原が透輝のシャツの襟元をもって引きずるようにして、薄暗く長い廊下を歩いた。
視界は朧げで、薄暗くてなんだか落ち着かない。遊園地のお化け屋敷が脳裏に浮かんで来る。
がっちりとして、大きな背中の高原について歩いているから安心感があるけど、独りではとてもこんな薄暗い中を歩く気にはなれそうにない。
「高原様、こんにちは」
突然響いた声に顔をあげると、どこから出て来たのか小柄な少年が高原の横に立っていた。
「っつ・・・」
こんな店、来た事がない。気持悪い…。
透輝は両手で汗がじっとりと浮かんでいるシャツを握りしめた。
あまりに退屈な生活に飽きて、少しくらいなら脱走してもバレないかな…と思って屋敷の裏口から逃亡したのが1週間前。主人である高原は出張中で、透輝もしばらくは大人しくしていたから、警備も手薄で思っていたよりも案外楽に脱走できた。
とは言っても、どこか行きたい所があるわけでもなし。結局は妹に会って、軽く話しただけで帰っただけだ。
ところが、帰宅してみれば透輝が脱走したと言う事で、高原は緊急帰国しているし、お手伝いさんは自分のせいだと泣きわめいている。
意外な程の大騒ぎに驚いて、声もでなかった。
監視役の人にはネチネチとお説教をされたけど、高原は仕事の都合であっさりと、出国してしまって、やっと仕事が一段落して帰国した今日、空港から直行でここに連れて来られたのだ。
「今日は、何か御入用ですか?」
「いや…今日はどうしようかな…。
この子にお仕置きでも、と思ったんだが何かちょうどいいものでもないかな」
「っつ・・」
高原が透輝の髪の毛を掴んで、前に引きずり出した。小柄な少年の黒い大きな目とがっちりと視線があってしまう。見た事もないような奇妙な服を着て、まだ10かそこいらぐらいにしか見えない。
「子供だ…」
「そうですね。最近、新しいのを入荷したので、よろしければ…」
思わず呟いた透輝の声は完全無視して、高原と少年は頷きあった。
なんだか、子供のくせに大人びた感じで気味が悪い。
「っつ・・・」
少年に続いて歩き始めた高原の後を、慌てて追った。こんな所で迷子になってしまっては、洒落にならない。
「こちらです」
くねくねと曲がった廊下を歩くと、小さなドアに辿り着いた。
少年がゆっくりとドアのノブに手をかける。なんだか、本当に気持悪い。高原はずっと無言で、まるで透輝なんて居ないような扱いだ。
「っつ・・・」
入って行く高原の袖口を掴んで、自分もついて入る。
「うっ・・・」
「匂うな…」
奇妙な、饐えたような匂いが部屋に充満している。空いている方の手で鼻を押さえた。
「こちらです。おい」
薄暗くて気付かなかったけど、床の上に少年が居たらしい。
学校の教室くらいある室内は少年と透輝達意外は何もなくてガランとしている。
「うわ……」
床から起き上がった少年の身体は傷だらけで、縫い目があちこちにある。その縫い目も、まるで普通の糸と針で縫い合わせたかのようにグロデスクで粗く、肉が盛り上がっている。
「おい」
ここまで案内してくれた少年が、自分達がはいって来た方とか逆側の扉に向って、声をかけた。
その声に反応したかのように、こちら側の扉よりは分厚そうな鉄の扉がゆっくりと開いて、一筋、明かりが床を照らした。
奥から奇妙な声が聴こえる。
「うわっ・・・」
「どうした?透輝。せっかくだから、きちんと見ておきなさい」
高原はクスクスと笑って、自分の背中に隠れた透輝を引きずり出した。
扉の向こうからのっそりと姿をあらわしたのは、まぎれもない黒豹だ。図鑑でしか見た事がない。
真っ黒のつやつやと光る身体を揺らしながら、傷だらけの少年に近付いて行っている。
「こっ・・こわい・・・」
高原の手が、後ろからはがいじめにするように絡み付いていて、視線が外せない。間には柵も何もない。恐怖に身体が震えた。
「大丈夫だ。獣はお腹が空いていない限り、人間を襲わないよ。
それに、あれはきちんと調教されている」
そう言われても、身体の震えは止まらない。すぐ傍まで、肉食動物が歩いて来る。
「ひっ…」
透輝の足下すぐに、傷だらけの少年が倒れこんだ。上に黒豹が載って、少年の首筋を舐めている。
「あっ・・あ・・」
少年の口から、かぼそい声が漏れた。緊張して、震えている透輝の呼吸も、自然とその少年に同調させられてしまう。
「性交の為に特別に調教したペットなんです。アナルを探り当てて、突っ込みますよ」
立っている少年の冷静な声が耳に響く。足下では、少年の足の間に、黒豹が身体をぴったりと固定している。
「あの人間も、これようにしている人間なんです。こちらのペットにお付けする事も出来ますよ」
「ひっ・・」
足下の少年の身体が痙攣して、黒豹の腰が進められた。
見ているだけでも気分が悪くなりそうだ。少年の見開いた目から、涙が溢れている。
「やっ・・あ・・」
透輝も声を上げて、頭を振った。
「いやっ・・みたくないっ・・」
見ているだけでも、頭がおかしくなってしまいそうだ。でも、高原の手に押え込まれて、視線を逸らせない。
「ほら、我が侭を言わずにきちんと見なさい。なかなか、いい眺めだろう」
「うっ・・・」
だんだんと少年の顔が恍惚としたものに変わって来ている。気味が悪い・・・。
豹と少年の交わる濡れた音と、少年の喘ぎ声が部屋に響いている。
「いやだっ・・や・・・」
少年の身体が赤く染まって、口からひっきりなしに息が漏れている。垂れた唾液が床にたまって、豹の涎と混じっている。
「あぁっ・・・」
少年の身体が目の前でビクビクと震えた。豹もすごい声をあげて呻いている。
2匹が絶頂を迎えているのが分かる。
「うっ・・・」
気分が悪い。透輝は口を押さえて俯いた。豹の首輪をたっている少年が引っぱると、少年の後孔から、ドロリとした大量の精液が溢れ出した。
「透輝、なかなか素敵だろう」
「どっ…どこが・・・。悪趣味だよ」
足下の少年は荒い息を吐いて、足を広いたままぱっくりと開いたアヌスを白い液体で濡らしている。みているだけで気分が悪くなりそうだ。
「やっ・・やだ・・高原さんっ」
「ほら、悪趣味なんていいながらこれはなんだい?」
ズボン越しにペニスを触られて、身体が固まってしまった。
「ひっ・・やだっ・・」
高原の手から逃れようとジタバタしていると、立っている少年が音もなく近付いて来て、透輝の手を掴んだ。
「何っ・・」
ガチャンと音をたてて、両手に金属の手錠がはめられる。
あんまりにも突然で、一瞬呆然としてしまった。こんな場所で手錠をはめられて、自由を封じられるなんて・・。
まだ、足下には獣がうずくまっているのに・・・。
「やっ・・」
「大人しくしなさい」
高原の手が服に潜り込んで来て、ズボンと下着が足から引き抜かれた。上半身に羽織っていたシャツの前も全開にさせられる。
「うっ・・怖い・・・」
手錠のついた両手で、必死に高原のシャツを掴んだ。
何をされるのか分からない・・。
「あっ・・」
不意に身体が突き飛ばされて、獣と交わった少年の上に倒れこんでしまった。
「ひっ・・・」
必死で後ずさろうと身体を動かしたけど、足が動かない。
少年がゆらりと動いて、がたがたと震えている透輝の上に、倒れこむように覆いかぶさってきた。
「やっ・・やめっ・・・」
恐怖のせいで、目から涙が溢れて来る。高原は傍観しているだけで、助けてくれる気もなさそうだ。黒い目がじっとこっちを見ている。
「あぁっ・・」
生温い感覚が身体を襲った。
少年が口腔に透輝のペニスをくわえている。這いつくばって、人の性器を赤い唇でくわえている姿は人間に見えない。
継ぎはぎだらけの身体で、本当に動物みたいだ。
「やっ・・ひっ・・・」
身体が勝手に熱くなっていく。汗が吹き出て、息が荒くなっているのが分かる。
「やだっ・・やめてっ・・」
少年が身体を起こして、何も言わずに透輝の上にまたがった。鼻から抜けるような息を漏らしながら、透輝のペニスを自分の中に埋めていっている。
「あぁっ・・や・・」
獣の精液を掻き回す、卑猥な音が響く。
「とうだい、気持いいか?」
高原が笑いながら恋人の、涙と汗で濡れている顔を覗き込んだ。
信じられないように、目を見開いて、口からひっきりなしに声を漏らしている。
「ほら、さっきまで豹が犯していた部分に今は透輝が入れてるんだよ」
「やぁっ・・・・」
熱い・・・。ペニスが燃えているみたいに熱くなっている。柔らかい粘膜が搾り取るように締め付けて来る。中途半端な快感に、身体が悶えてしまう。
「ひぃっ・・・」
身体が抱えられて、視界がグルりと回転した。少年の顔がすぐ傍に見える。床の上に横たわる少年の上に、自分が乗っている。
「あっ・・あぁ・・」
「力を抜きなさい」
無防備になった後孔に、ドロッとしたものが塗り込められた。
「うっ・・あぁ・・・」
「やっぱり、透輝はこっちのほうがいいのかな」
高原のからかうように笑っている声が耳に響く。
でも、すぐに指が引き抜かれてしまった。
「はぁ・・あぁ・・」
身体を揺すると、少年の粘膜の音と、透輝の後孔がヒクついて液体を飲み込む音が響く。
「いいですか?」
立っている少年が、小声で高原に問いかける声が微かに聴こえた。
同時に獣の呻くような声が聞こえる。
「ヒッ・・・」
ざらざらとした生暖かいものが後孔に触れた。刺すようなざらつきに肌が泡立って来る。
「うっ・・やだ・・・」
背中に嫌な感触が触れて、後孔が内側から押し広げられるような圧迫感が襲う。
「あぁ・・・怖いっ・・」
ズルズルと、終わりがないような長い棒でも差しこままれているみたいだ。腸を突き破って、胃まで届きそうな長さに、身体が自然と震えてしまう。
「ヒッ・・あぁ・・・」
さっきの黒豹が、身体の中に入って来ている。
根元が膨らんで、後孔の入り口が押し広げられた。異常な感覚に、身体が震えている。
「怖いっ・・あぁ・・・」
「どうだい?気持イイ?」
「やっ・・壊れるっ」
目の前の少年の肩を、戒められた両手で必死に掴んだ。後孔を突き上げられると、自然と腰が揺れてしまう。
後はグチャグチャに掻き回されて、前は粘膜に包まれて、頭がおかしくなってしまいそうだ。
「ひっ・・あぁ・・・」
身体が勝手に追い上げられて行く。意思も、恐怖も切り離されて、バラバラになるみたいで怖い。
「あっ・・あぁ・・」
痙攣して、少年の中に精液をぶちまけた。
「ひっ・・」
それでも、すぐに豹に奥を突かれて、快感が背筋を這い上がって来る。普段触れないような奥まで犯されて、身体がおかしいくらいに震えている。
「もう、イッてしまったのか?
早いな」
クスクスと高原が笑っている。
「ペットにまで感じるんだな」
「あっ・・・ちがっ・・・」
それでも、身体がどうしようもなく震えている。壊れたみたいに、快感の波が押し寄せて来て、口を閉じる事も出来ない。
「ひっ・・やぁ・・・奥がっ・・」
「どんな感じだ?奥が?」
「突かれてるっ・・あぁ・・」
硬い先で粘膜を抉られると、それでけで頭の中に極彩色が弾ける。
わけが分からない。頭の中もグチャグチャだ。
「気持いいかい?」
「やっ・・壊れるっ・・中が・・」
襞がグチャグチャと音をたてていて、壊れてしまいそうだ。下の少年の口からも息が漏れて、透輝の首筋に当たる。
「許しっ・・て・・ ごめん・・なさいっ・・」
必死で声を振り絞った。
上からも下からも響く濡れた音ばかりが耳につく。身体が熱くて、このまま、ドロドロに溶けてしまいそうだ・・。
「やぁ・・ごめんっ・・こわいっ・・」
中のペニスがどんどんと膨らんで行って、獣が後が呻いている。前も、ヌルヌルとした粘膜が気持悪い。動く度に生き物みたいに締め付けられる。自分の意思で自由になる部分が何もない。このまま、身体から自分が切り離されてしまいそうだ。
「ひぃっ・・・・」
中のペニスが痙攣して、腸壁に大量の迸りが打ち付けられた。
「やぁっ・・うっ・・・」
ドクドクと、終わりがないかのように続いている。注ぎ込まれた液体が、行き場をなくして中で暴れ狂っている。
「はぁ・・あぁ・・」
豹のザラザラとした舌が背筋を舐めあげた。それにも、身体が震えて、中の性器を締め付けてしまう。
ズルリと音をたてて、豹の身体が離れていった。
代わりに残された体液のせいで、中の異物感と圧迫感はかわらない。おぞましい・・・。
「うぅっ・・」
ヒクヒクと後孔が痙攣して、中から液体を溢れさせた。同時に、前が震えて、また少年の中にぶちまれてしまう。
「あぁ・・やぁっ・・」
わけが分からない。とにかく身体が壊れたみたいに震えて、下半身がずっしりと重たい。
「ほら、大丈夫か」
「あぁ・・」
高原が透輝の身体を抱え上げて、少年から引き剥がした。その刺激だけでも後孔の赤い襞が盛り上がって、中から白い精液を溢れさせる。
「やっ・・う・・」
「2度もイッたのか?しょうがないな」
クスクスと笑いながら、高原の手が、座り込む透輝の足を拭って、ズボンをはかせた。
「ほら、あんな獣でもイクんだからな」
「ひっ・・・」
立っている少年が豹の首輪を掴んでいる。さっきまで、あれが背に覆いかぶさって、自分の中を犯していたのかと思うと、ぞっとする。
「あぁ・・・」
「ほら、あふれてきてるな・・・」
動く度に、おぞましい感覚とともに、中から液体があふれて来た。
気持悪い・・。
腰から下がドロドロになってしまったように、全く力が入らない。
「うっ・・・」
高原の襟を必死で握りしめて、肩に顔を埋めた。
中からドクドクとあふれて来る感覚に耐えられない。
「高原様、こちらの商品はいかがしましょう」
「今回はいい。また、来させてもらうよ」
高原が微笑み返すと、少年はにっこりと笑って頭を下げた。床の上では、傷だらけの少年が、相変わらず足の間を白い液体で汚したまま、横たわっている。両方の目は焦点があっていないようで、見ているだけでゾッとする。
「手は、いかがなさいましょう」
「このままでいい」
高原は少年から手錠の鍵を受け取って、透輝の身体を横抱きに抱いた。
「あっ・・・」
「お仕置きはどうだった?もう、悪い事はしてはいけないよ」
薄暗い廊下を歩きながら、高原が透輝の髪の毛に顔を埋めた。
「はい・・ごめんなさい・・」
「分かればいいんだよ」
来た時よりも短いような気がする廊下を抜けて、ドアに辿り着いた。すぐ外に、ベンツが止まっている。
「うっ・・・」
中に透輝を座らせて、高原も運転席に回りこんできた。
「そんなにもすごかったか?
嫉妬するな」
「気持悪い・・。なだ、中が・・」
腫れぼったく、疼いている。
高原は苦笑して、透輝の頭を引き寄せた。この男がさせた事だけど、こうしていると安心する。
「帰ったら、洗い流そうな。
お土産もあるんだ」
「うん・・・」
車が滑り出して、夕焼けの照らす道を家へとむかった。
まだ、身体は気持悪い。でも、恋人のスーツに顔をこすりつけて、ゆっくりと目を閉じた。 |