AFTER

 弟なんかを好きになったの過ちのはじまりだ。
 義母の連れ子で、始めてあった時から、明なんかよりもずっと大人びていた。
 3才も下の高校生なのに、同級生といっても不思議でないほど大人びた雰囲気。
 整った顔に「お兄さん、お兄さん」と話し掛けてくる優しい言葉。
 
 もともと、ソノ気があった明は電光石火の勢いで恋に落ちた。
 弟相手だとか、男同士だとか気にならなくなる程恋いこがれた。
 優しく接してくる弟を見て、もしかしたら・・・と思ったのだ。
 少しは期待が持てるかも・・・と望みを抱いてしまった。
 
「兄貴、今日4時からの約束、忘れんなよ」
 洗面所で、背後からトントンと肩を突かれた。
 モデルと言っても不足がない程の整った顔が眼前に迫っている。
「ああ・・・」
 弟の隆之と明では大学生と高校生ということもあって、タイムテーブルがかなり
違う。
 一緒の食卓を囲むのも、朝だけだ。
 そして、明よりも一時間ほど早く家を出る弟を見送るのが日課。
「じゃあ、4時に高校の正門で。遅れんなよ」
 洗面所のドアを閉めながら、隆之は釘差すように、一方的な約束をくり返して言
った。
 後ろから見たって、充分にかっこいい背中が洗面所のドアから出て完全に見えな
くなると、明はため息をついた。
 弟の何もかもが好きだ。
 隆之になら、何をされてもいいし、望む事は何でもしてやりたい。
 自分にできる事なら、隆明のためなら・・・。
 どうしても、そう思ってしまう。
 それ程に、好きになってしまった。
 明は再びため息を吐いて、壁にもたれた。


「嘘っ!!マジで隆之の兄貴?」
「似てねー」
 隆之と同年代の少年達の声が響く。
 4時に約束通り、正門で待っていた明を隆之はバスケ部部室まで連れて行った。
 両方の壁にロッカーがずらりと並んでいて、中央にはミーティング用のテーブルが
ある、ごく平均的な部室だ。10代の少年の臭いが充満している。
 隆之は、連れて来た明を乱暴にテーブルの上に突き飛ばした。
 机に上半身を乗り上げて呆然とした明の顔を、少年達は興味深げに覗き込んだ。
「義理の、だ」
 隆明は窓際のパイプイスに座って、煙草をふかしはじめた。
「じゃ、きっちり、今から2時間、延長ナシで」
 いつもの、合図のような言葉だ。
 その言葉に、ビクリと身体がこわばる。
「ケチ」
 呟いて、学生服に身をつつんだ少年が明に近寄って来た。
 部室内には明と隆明を除いて、3人。その誰もが隆明の友達で、明も家で何度か見た
事がある。
「じゃあ、まずは何をしてもらおうか・・・」
 学生服の少年達は楽しげに笑いあう。
「なぁ、中谷、俺、一回やってみたいことあるんだ」
 三人に囲まれて、身体がすくむ。目の前に立たれると、追い詰められたような気分だ。
 少年のひとりがぐいっと明の髪の毛を掴んだ。
「っつ・・・」
 机の上に引っ張り上げて、腹這いに寝かせられる。ちょうど、少年達の腰ぐらいの高さ
の机だ。
 ちょうど、視界に隆之が入る。
 ニヤニヤとこちらを見ながら、煙草をふかしている。
「ねぇ、舐めて」
 少年が、ズボンのファスナーを下ろして、明の眼前に性器を突き付けて来た。
 十代の少年だと、自分の性欲の方が最優先となるようだ。
「うっ・・」
 むせるような臭いのするソレに、唇を近付けた。
 少年の腰を、両手で掴んでくわえた。
 二時間という時間が決められているなら、それを少しでも短くするように、努力す
ればいい。
 どうせ、逃げられないのだから・・。それは実正済みだ。
 隆之の命令は絶対で、それでもいいと縋ったのは明なのだから・・。
「うわっ!!」
 明が舐めている少年が呻いた。十代らしく、すごい勢いで口の中で大きく形作って
行く。ピチヤピチャと。明が嘗める音が部室中に響く。
 他の二人の、唾を嚥下する音がする。
「何ボーっと突っ立ってんだよ。二時間だけだぜ」
 隆之が、焦れたようにガタンッと音を立てて立ち上がった。
 明はビクリっと身体を竦ませて、少年の腰を掴んでいる手に力を込めた。
 明にとって、隆之は好きな分、最も恐ろしい存在だ。
「まずは、裸に剥いちまえよな」
 隆之は近寄ッてくると、明のズボンと下着を一気にズリ下げた。
「ヒッ!!」
 突然下肢に触れた空気に、身体が竦む。口内にある男性器をより強く吸ってしまう。
 充分に張り詰めたソレに、喉奥を突かれる。
「コイツはここも使えるんだから、使ってやれよ。使いやすくしてやるから。
 っとに・・・世話のやける・・・」
 隆之はブツブツと中谷に愚痴をもらしながら、明の秘花に指を突き立てた。
「うっ・・」
 シャツ一枚になった明が、なんとか隆之の指から逃れようと腰をよじった。
 その隙に、隆之は小瓶とスポイトをポケットから取り出して、中谷に渡した。
「ホラ、スポイトで一杯まで吸い上げるんだよ」
「ああ・・・」
 また、何か、妙な薬を使われるのだろうか・・・・。
 焦りのせいで、明は口内にある性器を知らずに激しく刺激してしまう。
 口をすぼめて吸って、舌で嘗め回す。
 自然と身についてしまった技術で、必死に奉仕する。
 明の不安に比例して、口内の男性が硬さを増す。
「うっ・つっ・・」
 一際強く髪を掴まれる。
 不意打ちのように、喉奥に生暖かい飛沫が打ち付けられた。
「うぐっ・・・・」
 嘔吐感が込み上げてくる。
 ズルリと萎えたものが糸を引いて、明の口腔から出て行く。
「飲み込めよ、明」
 後ろから掛けられた隆之の声に従うように、明は口を押さえて、なんとか嚥下した。
 独特の生臭さが、いつまでも口の中にまとわりつく。
「じゃあ、中谷、そのスポイトの液をここにいれるんだ。
 なるべく、奥にな」
 隆之の声が後ろから聞こえる。
「ひっ・・・」
 ズルリと冷たいガラス管が侵入して来た。太さはないが、冷たく、硬い感覚に身の毛
がよだつ。
 ズルズルと怖いぐらいに奥深くまで入ってくる。
「う・・やっ・・」
 止まったと思うと、スポイトから、ジェルのようなものがドロドロと体内に注入され
始めた。
「あああっ・・」
 ゆっくりと、体内の奥深い部分だけが開かれる感覚が耐えられない。
 慣れないことに、冷や汗がどっとふきだした。
「やめてっ!!・・いやっ・・」
 気持ちの悪さにのたうちまわる明に、一気に室内の空気が淫蕩さをました。
「どんな感じだい?明・・」
「入ッてくるっ・・・やぁっ・・」
 たっぷりとジェルが注入されて、すぽいとがゆっくりと引かれた。
「あうううっ・・・」
 身体の奥深くで、息を吐く度にグチュグチュと音がする。
 気持ち悪さに、机の端を握りしめた。
「速効性があるらしいから、すぐに効果はあらわれるだろ。
 まっ、充分に満足させてやってくれ」
 隆之は、明のシャツを脱がせながら、三人に声をかけて、定位置の窓際のイスへ戻っ
た。
 三人は全裸でうつむせに横たわる明に、ごくりと唾を飲んだ。
 後孔から、溢れたジェルがゆっくりと垂れはじめてる。
「ひっ!!」
 不意に、明の身体が跳ねた。
「うっ・・・」
 白い太ももが痙攣した様に震える。ギョッと三人は目を合わせた。
「あああ・・・熱いっ・・かゆっい・・・」
 机の端にしがみついて、明は激しく腰をのたうち回らせた。我慢できないかのように、
腰を高くあげて、雌猫のように振る。
 息苦しそうに、口を開けっ放しでハァッハァッと短い呼吸をくり返した。
 ジェルを注入された、身体の奥深くが熱くて焼け付くように痒くてしょうがない。
 苦しすぎて、止まらない冷や汗が背中を流れる。
「すごい・・・」
 中谷は呟いて、プツリッと明の後孔に指を差し入れた。ジェルを流しながら、閉じたり
開いたりしているソレは、まるで別の生き物のようだ。
「ああっ・・・もっと・・」
 中谷の指を逃がすまいと、後孔の襞が指に絡み付くように締め付ける。
「もっと・・奥までっ・・かゆっ・・」
 必死で腰をくねらせて、中谷の指をもっと奥までいれようとする。
 掻痒感と熱さのせいで、思考が飛んでしまう。
「っつ・・・」
 中谷は呻くと、明の肩を押さえ付けた。
 ズボンのジッパーを下げ、取り出したもので一気に貫く。
「あぁぁっ!!」
 いきなりの進入に、明は歓喜ともつかぬ悲鳴をあげた。熱さと痒さ、両方を押さえてく
れるものの進入に、身体が悦びで震える。
「ああっ、擦って・・ひっ・・」
 犬のように這って、痒さを紛らしてくれるソレに意識を集中しようとした。
「中谷ばっかり、イイ思いすんなよ」
 今まで傍観者だった少年が、明の前髪を掴んだ。
「ヒッ!!」
 突然の浮遊感に身体がすくんで、中に入ッている形をなぞように締め付けてしまった。
 目の前に、また、男性器を差し出される。反射的に、くわえてしまう。
 強烈すぎる快感で、頭がまわらない。思考がパッタリと停止したかのように、感覚だけ
を追ってしまう。
 さっきまで、明がくわえていた男に手を取られた。すっかり硬くなったものを握らされ
る。片手だけを机について、身体をささえる不安定な体制だ。
「あっ・・もっと・・もっと奥までっ・・・」
 グチュグチュと音をたてて、中谷のモノが、どんどんとスピードをあげて中を擦りあげ
る。
 熱さを抑えてほしい。そのために、もっと奥まで、壊れるぐらいについて欲しい。
 許容量を超えた快感のせいで、涙がとまらない。
 太ももが絶えず痙攣して、前が痛い程に張り詰めている。
「あっ・・・あっ・・」
 口内に突き立てられていた男性器の飛沫が喉奥に爆ぜられた。
「ぐぅっ・・・」
 我慢できずに、精液を吐き出す。白いものが、顎から、顔中に伝わる。
 むせ返すような臭いで朦朧とする。
「ひっ・・・」
 同時に、内壁にも飛沫が飛び散った。
 直接的な刺激に、明は身体が痙攣する。
 刺激に、内壁がウネウネとうねってしまう。
「あっ・・あああっ・・・」
 堪えがたいような悲鳴を上げて、明も机上に、欲望の証を散らした。
 

次のページへ
HOME