「SUMMER TIME」 

 個人の所有とは思えない程、豪華で設備の整ったコテージ。
 そりゃ、透輝だって普段ならこんな所に 連れて来てもらつているのに、我が儘
なんて言わないだろう。
 いつも以上に甘えてしまうのは、透輝もずっとこの旅行を楽しみにしてたから。
 ついつい、恋人に我が儘を言ってみたり、普段できないような事をしてみたくなる。

「高原さん、ごめんなさいって・・・」
 半分以上涙声で、透輝は高原を見上げた。
 唇の端だけ上げた笑顔で、高原は透輝の首筋を撫でた。
 「ああ・・・」と透輝は溜め息をついた。こんな顔をした高原はロクな事がない。
 ベッドの上で窮屈そうに身体を捻る。
 部屋に入ったとたんに高原にネクタイで後ろ手に戒められた。そのままベッドに
放り投げられたんで、下敷きになった両手がギシギシといたむ。
「高原さん・・・」
 不安げに瞳を震わせる透輝の顔を覗き込む。
「かわいい透輝。でも、私はあまり我が儘を言われるのは好きじゃないんだよ。
 ちょっとお仕置きしないとだめだろう」
 高原の指が透輝の髪の気から名残惜し気に離れた。
 お仕置きと称した時の高原の行為はロクなもんじゃない。
 サド気質の高原のすることだから、今回も覚悟が必要だ。
 透輝は唇を噛み締めた。
 
 ベッドから重みが離れた。
 高原が立ち上がって部屋のドアを透かす。
「透輝、お前もお気に入りのブルクだよ」
 足下にドーベルマンをまとわりつせて、高原は再び、ベットサイドまで寄って来た。
 透輝の目が限界まで開かれる。
 確かに、高原の足下に居るのは、家で飼っているドーベルマンで、透輝も可愛がっている。
 旅行中、家に残しておくのは嫌だという透輝の申し出で、ここまで連れて来た。
「や・・・、高原さん・・?」
 透輝は犬と高原を見比べた。
 ブルクは、確かに可愛がってるけど、それとお仕置きとの関係がつかめない。
「ホラ、ブルク」
 高原はブルクの首輪を掴んで、透輝の居るベッドの上に上げた。
 高原も、ベッドヘッドに背中を預ける形でベッドに座ると、意図がつかめず、戸惑っている
透輝を、開げた足の間に抱き込む形で座らせた。
「何・・、高原さん・・」
「さあ、どうすると思う?」
 楽しんでるように、クスクスと高原が耳もとで笑う。
「あの・・、止めて下さいよ・・。
 高原さん・・・」
 哀願するように、透輝が震えた声で訴える。
 高原は笑いながら透輝の短パンをひっぱった。高原が選んだソレは簡単に透輝の足から抜け
ていく。下肢が剥き出しになった格好で、透輝は肩を震わせて俯いた。
 羞恥に首筋までもが朱に染まっている。
「恥ずかしい? ベルクの前ではやったことがないからね」
 高原の言葉に透輝の肩がビクリと震える。
 後ろ手に縛られた両手のせいで、身じろぎさえもままならない。
 高原は透輝のランニングをたくし上げて、胸の飾りに指を這わせた。
「っつ・・・!!」
 一気に上昇した透輝の体温と、異常な雰囲気に気付いたのか、ブルクがのそりと透輝に近付く。
「ホラ、透輝はここが弱いからね」
 高原が喉の奥で笑いながら思いきり爪を立てた。
「ヒッ!!」
 喉を仰け反らせた。後ろに居る高原に全体重をかける。
「本当に弱いね。
 ほら、ブルクおいで」
「ひっ・・」
 飼い主に従順な犬が、透輝の足の間にまで寄って来た。
 普段はなんてことない、かわいがっている犬でも、こうも無防備な時に近寄られると、恐怖心
が沸き起こる。
「ブルク、なめてごらん」
 高原が、透輝の胸の飾りをブルクに指差した。
「やあっ!!」
 透輝のあがらいなど物ともせず、ザラリとした長い舌が胸の上を撫でる。
 人のよりも硬質で、ざらついたソレに、背筋をゾクリと恐怖感が走った。
「ひっ・・!! 怖い・・」
 後ろの高原に一層体重を掛けて、透輝は必死で舌から逃げようとする。
「いつもかわいがっているブルクだろう」
 高原は透輝の髪の毛を撫でた。
 ザラリとした舌が何度も何度も入念に撫で回る。
 執拗なほどの行為に、だんだんと身体が高ぶってくる。
「やっ、あっ・・・」
「感じる?透輝? ホラ、こっちもこんななってるよ」
 高原がクイッと性器をつまみ上げた。 すでに、勃ち上がって涙を流しているそれを見せつけられる。
「うっ・・」
 低く呻いて、透輝の頬を涙が伝った。
「ブルク、もういいよ。ストップ」
 胸から、舌が離れる。
 同時に、高原が透輝の先走りの滑りを使って、後庭に指を侵入させた。
 身体の内側から、圧迫感が襲う。慣れた感触とはいえ、最初侵入されるときは、やはり微かな異物感を
伴う。
「うっ・・・」
 ポイントを知り尽くした高原の指が、透輝の内壁の弱い部分を擦った。
「ヒッ!!」
 高原の腕の中でね透輝の身体が跳ねる。
 揉みほぐすように、ジワジワと抽挿を繰り返す。
「ホラ、もう2本いけるな」
 ぐいっと質量がまして、更に身体の異物感がました。2本バラバラの動きに、更に熱が煽られる。
 身体に大きな穴が空いたような感覚にされる。
「んっ・・・」
 2本の手淫でも蕩けきった入り口から、高原は指を抜いた。
 透輝が名残惜し気に鼻を鳴らす。
「今日はお仕置きだろ。
 ホラ、おいでブルク」
 高原は、透輝の膝の裏に手を入れて、腰が浮くような形で持ち上げた。

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