封書

「風呂だよ。ここなら、どんなに汚れてもかまわない。

 本当は、先生、トイレで俺に声を掛けたとき、チンチンを見るだけじゃなくて、もっと、良いことをしたかったんじゃないの?

「あ……」

ビクンッと身体が大きく震えた。

案の定、だった。

「本当は、どうしたかったか、言ってごらん。先生の言うとおりにしてあげるよ」

「…………ほ…本当は……き…君のオチンチンに触れたくて…」

それでも、まだ、「天草 充」は控えめに言っている…ということが見て取れた。

彼のように、虐げられることに性欲を感じる質の人間は、もっとひどいことをしてほしかった筈だ。

「嘘。本当は、俺のおしっこを飲みたかったんだろう。俺がだしている尿を、飲みたくて、しょうがなかったんだろう」

「あ……そんな……」

「天草 充」の腰が揺れて、太腿がビクンと痙攣した。

そのことは、私が発した言葉が正しいことを物語っていた。

 

「きちんと言ったら、飲ませてあげるよ。飲みたいだろう」

「あ……あぁ…そんな…。で……でも…」

「さっさと言わないと、このまま、帰って貰うよ。両手を縛られて、目隠しをしたまま、外に放り出すよ。それで、大学にも先生の事を言うよ」

「あぁ……」

大学、という言葉に、「天草 充」の顔が、一瞬青くなったが、唇をキュッとかんで、ふたたび紅潮した顔に戻った。

「の…飲ませてください……。き……君のおしっこ……」

私は、浴槽のへりに腰かけて、ズボンとシャツを脱いで、浴室の外に放り投げた。

 

服が汚れるのはイヤだったし、私自身もかなり興奮してきていた。

「さぁ、じゃあご要望通り。飲ませてあげるよ」

「あ……あぁぁぁ……」

「天草 充」の唇の中に、自分の性器を押し込んだ。喉奥まで押し込むと、性器の先端が彼の食道の入り口の粘膜にまで当たっているのが分かった。「天草 充」は狂いそうに眉を寄せていた。

「ほら、でるよ」

「うぐ……ぐぅ……」

身体から力を抜き、尿を放出した。

かすかな解放感が、身体に満ちた。

「あぐ……ぐぅぅぅ……」

「天草 充」は必死の様子だった。

口の中にしみこんでくる尿を、喉を上下させて、必死で受け止めていた。

たまらなく苦しそうな顔が、とても愉快だった。

 

声をあげて、笑いたくなるくらいに。

目隠しの舌の目は、きっと見開かれて、白目を剥いているに違いない。

 

ただ、「天草 充」は飲むことになれていないのか、口の端からだらしなく、私の尿を溢れさせた。

それは、彼の黄色い線を、幾筋も、彼の白い胸元に、幾筋も描いていて、浴室の床にたまって落ちていた。

すべてを放出した解放感に、一瞬、私の身体から力が抜けた。

そうして、前髪を掴んで、「天草 充」の口から私の性器を引きはがした。

「あぁーあ……だいぶとこぼしてしまっていますね。

 床に、おしっこがたまっている…。キレイにして貰おうかな…」

「え……」

彼の頭を掴んで、床にこぼれた尿に、頬を擦りつけた。

「さぁ、キレイに舐めてください。大好きなおしっこでしょう。きちんと、ぜんぶのんで貰わないとね…」

「そ…そんな…。おしっこを舐めるだなんて……」

「さっきまで、恍惚として飲んでいた人が、なにを言って居るんです。今更、恥ずかしがることもないでしょう」

「天草 充」は少し困惑したらしいけれど、私が髪の毛をつかんで、床の尿に頬を擦りつけると、諦めたように息を吐いた。

両手を後ろ手に縛られて、目隠しをして、床の尿を必死で舐めている姿は、滑稽だった。

 

見せ物小屋の、くだらない催しを見ているような。ただ、自分の目の前の光景に、私も興奮を覚えているのも事実だった。

尿を舐めている、「天草 充」の身体をグチャグチャにしたい…。

 

そういう願望が心の奥底からわき上がってきた。

 

「おしっこは美味しいですか。 あぁ、こっちも、弄ってほしそうにしていますね」

「あ……」

両手を後ろ手に縛られて、四つん這いになっているせいで、どうしても下半身が高く掲げられている。その、彼の下半身を掴んだ。

尻の双丘を指で割り広げると、肛門が見えた。

指先でつつくと、ビクンッと「天草 充」の身体が震えた。

「そ……そんな所……さ…触らないで」

声はか細く、完全に拒否をしている訳ではない、ということがわかった。

「どうして? 初めてですか? お尻の穴を弄られるのは」

からかうつもりで言ったのだが、彼は、意外にも、恥ずかしそうに首を縦に振った。

 

「だ……だって……こんな風に…だれかと、こんな事をするなんて…」

 

彼の言葉に、私は、より、ワクワクとした。いままで、誰とも性交をしたことがないのか。

性癖をひた隠しにして、我慢してきていたのだろうか。

 

それは、勿体ない。

そうして、同時に、自分が好きに作り上げられる、という事を意味していた。

「じゃあ、やさしくしてあげますよ」

そんなつもりは、毛頭ないけれど。私の言葉に、彼はホッとしたようだった。

 

シャンプーを手にとり、彼の後孔になすりつけた。

赤い襞に、白いシャンプーがなじみ、ひろがっていくと、テラテラと襞が光っているように見えた。

誘い込むような襞の中に、指を入れてみた。

「いた……」

「天草 充」の口元から、声が漏れたが、かまわずに指を推し進めた。

「先生、オシッコをなめている口が止まっていますよ。まだ、いっぱい汚れているんだから、キレイにしてください」

「あ……だ……だって…」

「だって、何ですか?

「………」

彼は少し躊躇してから、再び床を舐め始めた。

見えないせいで、尿がこぼれていない床部分まで舐めている。

小さな動物が、必死で餌を食っている様に似ていた。

 

「ほら、指を増やしますよ」

シャンプーをたっぷりと手にとって、赤い襞の中に、指を追加した。

襞は突然の異物に、広がり、ヒクヒクと震えていた。

指を上下に動かすと、中に入れたシャンプーが、まるで、襞からしみ出ているようだった。

「さぁ、じゃあ、俺のチンチンを入れてあげましょうか」

「え………」

一瞬、私の言葉の意味が分からなかったのか、「天草 充」の顔が、くるりと後を向いた。

目隠しで、合うことがない目が、一瞬合ったように感じた。

そうして、どうじに、尿と唾液ですっかり汚くなった顔に、興奮を覚えた。

 

私も、限界だ、と感じた。

 

赤い襞を無理矢理にこじ開けて、自分の性器を押し入れたい。

 

自分の屹立したペニスにも、たっぷりとシャンプーを塗り込んで、床に這っている「天草 充」の腰を掴んだ。

「ひ……」

尻の双丘を指で広げて、性器の先端を赤い襞に押し当てた。

「ひぃ……ひぃぃ……」

きつい……と一瞬思ったが、「天草 充」の先ほどの汚れた顔が浮かんで、配慮する必要はない、と感じた。

むしろ、敢えて強引に。痛いくらいに押し込んでやろう…という気持ちが増した。

「う……あぅぅぅ……」

人の悲鳴とも、うめき声とも突かぬ声が「天草 充」の唇から漏れた。

 

ビチっと避ける感覚がした。

後孔の襞が、強引なペニスの進入に、耐えきれずに避けたのだろう。

「い……いた……」

「天草 充」は浴室の床に顔を擦りつけて、唇から唾液を溢れさせていた。

 

痛みに、口を閉じることが出来ず、だらしなく唾液を溢れさせているだけだった。

切れた感触のあとは、その切れ目が、更に深く避けた感触がして、スムーズに性器が奥まで入っていった。

覗き込むと、鮮血が、「天草 充」の白い太腿に、幾筋も流れていた。

「い……う……」

「少し切れたけれど、全部入りましたよ。ほら、僕のおちんちんが、先生の中に入っている」

「あ……ひ……」

腰を揺らすと、更に血が溢れた。

シャンプーと入り交じって、白みがかった血も、太腿に筋をつくった。床に垂れ落ちて、溢れている血は、まるで処女を犯しているようで、愉快な気持ちになった。

 

「分かりますか? 俺のチンチンが、先生の名かに入ってるの」

「あ……い…いたい……」

痛みのせいで、「天草 充」のペニスはすっかり萎えていた。

指を絡ませて、強引にしごくと、キュキュッと後孔が閉まる感触がした。

しかも、すぐに「天草 充」の性器は屹立してきた。

後孔の痛みと、「犯されている」という事実に、興奮しているんだろう。

それに、彼の口の中に広がっている、私の尿の味も、相乗効果をもたらしていたのかも知れない。

「ほら…動きますよ」

「あ……む……むり……」

腰を掴んで、強引にペニスを引き出した。

血とシャンプーが、自分の赤黒く変色したペニスにからまっている。

か細い背中は小刻みに震えていて。だけれども、彼が「痛み」にも会館を覚えているのは事実のようだった。

ペニスは彼の股間で完全に屹立し、先からは粘液がしみ出している。

「先生もヘンタイですね。ケツの穴にチンチン入れられて、興奮して」

「あ……ちが……」

「違わないでしょう。ほら、先生のチンチンも、こんなにおっきくなっている。

 「僕は、ヘンタイです。ケツに入れられて、感じています」って言ってみてくださいよ」

「あ……あ……」

愉快で、腰を動かしながら、私は脱ぎ捨てた服から、自分のiPhoneを取りだした。

見えていない彼には、私が何をしているのか、まったく分からない。

「さぁ、言わないと、このまま終わらせようかな。もしくは、先生を、このまま廊下に出してしまおうかな」

ビクンッと身体が揺れた。

「ぼ……ぼくは…ヘンタイです……。あ……お……お尻に……オチンチン入れられて……気持ちいい……あ…いたい……あぁ…気持ちいい……」

iPhoneが、確実に、彼の言葉を録音しているのを確認してから、彼の尿と汗と、唾液にまみれた顔を、撮って置いた。

彼は、まさか、私がそんなことをしているだなんて、気付いていない。

 

「そう、先生はヘンタイですよ。ほら、もう、チンチンがこんなにかたくなってる。今にもイキそうですね」

「あ……あぁぁ……」

腰を掴んで、さらに激しく、彼の奥を突き上げた。

収縮して、絡みついてくる襞がたまらなく気持ちいい。

「あぁぁぁ……うぅ……い……イク……」

「天草 充」がうめいたので、彼のペニスの根本を抑えた。

「あ……な…なんで……」

「俺より早くイクなんて、駄目ですよ。まだ、我慢して貰おうかな」

私は、彼の手首にはめていた数珠を外した。

最近、若い人がはめている、クリスタルストーンか何かの数珠みたいだった。

それを、彼のペニスの根本に縛り上げた。

「あ……あぁぁ……」

「ほら、これでイクことができないでしょう」

ペニスは屹立しているのに、精液を放出することは出来ない。身体の中をグルグルと快感が回るだけで、どんどんとたまっていく。

頭の先端にまで快感がひろがっていき、脳の奥まで、後孔の感触にむしばまれる。

「天草 充」をみていれば、そうなっていっているので、手に取るように見えて、愉快だった。

 

そうして、それは、私の快感を早めた。

腰を何度も引き寄せて、塗れた音をたてながら、彼の中に精液を放出した。

 

だしてしまうと、心地よい疲労感が身体を満たしていく。

 

後孔の最奥に放出された熱い感触に、「天草 充」の身体は震えたけれど、ペニスをしばっているせいで、快感の行き場がなく、彼の全身を快感がグルリと駆けめぐっているようだった。

「は……はずして……。オチンチン……の…あぁ……おかしくなっちゃう……」

快感がグルグルと身体の中をめぐるせいで、朦朧としている。

「そうだね…。外してあげても良いけれど…」

私は、脱ぎ捨てた、自分の服からボールペンをとりだした。

そうして、それを、さっきまで私のペニスを含んでいて、充血している後孔の中に押し入れた。

「な……なに……」

つめたい異物の感覚に、「天草 充」は焦ったように目隠しをしている顔をこちら向けた。

「ただのボールペンですよ。さっきまでチンチンを突っ込まれていたんだから、これくらい、どうって言うことないでしょう」

「……な…なんでそんなの……」

「次に会うときまで、入れていてください。勝手に抜いたら駄目ですよ」

「天草 充」は、しばらく、私の言葉が理解できないようだった。

だが、すこし間をおいて、「そんなの…無理だ…」と呟いた。

「無理な事なんて無いですよ。入れていてください。約束してくれたら、ペニスの数珠をほどいてあげますよ」

「………あぁ……う…」

入れられたペンにも、感じているようだった、敏感になっている内壁を、ランダムに刺激されて、快感がこみ上げてくるのだろう。

「さぁ、どうしますか? それとも、このまま、外に先生を出してしまおうかな。みんな、こんなヘンタイを奇異の目で見ますよ」

言葉に「天草 充」の顔が青ざめた。

「わ…わかった……。入れておくから……そんなこと…しないでくれ…

数珠を…ほどいて…」

「いい返事だ。ほどいてあげますよ、先生」

完全に、「天草 充」を支配している感覚に、私の顔が、ニタリと歪むのを押さえられなかった。

 

自分にも、こんなにも「悪いヤツ」な部分があったのか。

 

人を支配できるというのは、なんという快感だろう…。

 

数珠を外して、ペニスを数度、指で擦っただけで、「天草 充」は精液を放出させた。

体中に貯めていた快感を吐き出すように、ビクビクとしばらく身体を震えさせて、自覚せずとも、快感を味わっているようだった。

 

「じゃあ、先生、約束ですよ。次にふたりで会うときまで、これは入れたままで」

「……う……うん……」

 

彼は、渋々とうなずいたようだったが、頬は紅潮して、支配される快感に酔っている事も、見て取れた。

ただ、まだ、自分が「安部 彰彦」でないことは、明かさないでおこう…とおもった。

私は、楽しいことは、後回しにしたい質だ。

 

「先生、じゃあ、先生が汚した浴室を、全部キレイになめて清めてくださいよ。先生の精液と、唾液と、血と、オシッコですごく汚い」

「……ご……ごめん……」

本当だったら、シャワーで洗い流せば済むことだ。

ただ、快感の余韻にひたって、思考能力が劣っている「天草 充」は成城な判断ができないようだった。

「俺は、バイトがあるので、出かけます。先生、きちんとキレイにしておいてください。

 俺が帰ってきても、汚いままだったら、大学で、先生の事をいいますよ」

大学、という言葉に、彼はビクンと反応した。

「……わ……わかった……」

「キレイにしたら、勝手に帰ってください。鍵は開けてくれていてけっこうですから」

私は、彼の両手を縛っていた紐をほどいた。

そうして、目隠しを外そうとした彼の手を制止した。

「どうせなら、目隠しはそのままで。

先生の顔を見たら、学校を思い出して、気分が萎えてしまいますから」

「……わかった…」

彼は、曖昧にうなずいた。

 

「天草 充」を置いて、浴室を出て、私は新しいシャツとズボンを身につけた。

 

ユニットバスの浴室の中をみると、浴槽の中に、ポツンとすわっている彼が、ひどく哀れに見えた。

「じゃあ、先生、約束ですよ」

「……うん……」

 

具体的に、どれが、どういう約束か。言わないで居ることで、彼は、曖昧な頷きしかしなかった。

目隠しをして、虚空をみつめてうなずいている姿は、痴人のようでもあった。

 

いつまでも見ていたい気もしたが、言葉通り、私は彼をおいて部屋を出た。

 

近所の喫茶店で、1・2時間ばかり時間をつぶしてから帰ったらいいだろう。

 

私は行きつけの喫茶店に行き、珈琲をたのんで、iPhoneを取りだした。

きっと、いまごろ、彼は、私が言ったとおりに浴そうを舐めてキレイにしているんだろう。

私がだした尿も、精液も、血液も。舌でキレイに舐めているに違いない。

 

彼は、そういう律儀さがある。

そうして、その律儀さは、私にとっては、愉快なものであり、同時に、哀れで、愛しい者でもあるように感じた。

「どうしたんですか?藤堂さん。

 すごく良いことがあったみたい」

馴染みのウエイトレスが、水を置きながら、声をかけてきた。

 

「うん、たいしたことじゃないんだけどね。いいことがあったんだ」

「そうですか。すごく浮かれているみたい。

 めずらしいですね」

 

私は、これからに思いをはせた。

いつ、「天草 充」に私が「安部 彰彦」ではない、と言おうか。

 

それ以前に、彼は大学で「安部 彰彦」を見かけるたびに、ドキドキとするに違いない。そうして、後孔にいれたままのペンを、取って欲しい、と思うに違いない。

 

ただ、大学では、絶対に声を掛けないように、と言っているから、声をかけるような勇気はないだろう。

 

瞼の裏に、「安部 彰彦」を見て、動揺する「天草 充」が浮かんでくるようで、愉快でたまらなかった。

 

ウエイトレスが運んできた珈琲を見た。

きっと、彼の瞳も、こんな風に黒いに違いない。

 

そう思うと、今ごろ、グチャグチャになったシャツを着て、目隠しをはずし、後孔に異物を入れたまま帰っているかも知れない彼の様子が浮かんだ。

 

iPhoneをコーヒーカップの横に置いた。

まだまだ、楽しめそうだ。

 

普段よりも、上手いような気がする珈琲を味わいながら、iPhoneの黒い画面を見つめた

 

 

2013 07 30 UP
設定が懲りすぎていて、あまりエロくないです……。
というか、約一年ぶりくらいに書いた小説です。読者様から感想メールをいただいて嬉しくて、一気にかき上げました。
なのに、エロくない……

申し訳なくて、部屋の片隅で膝を抱えたい気分です……。
本当に、申し訳ありません。

こんな駄文なのに、読んで下さってありがとうございます。
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