さようならのくに 肆 1ページ |
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目が覚めると、相変わらず、黄色い部屋の中だった。 頭が少し痛いように感じた。クスリのせいかな…。と思うと同時に、グオンという機械音が聞こえて、俺の下半身がずっとりと思い気がした。 「あ……あぁ……」 後孔にいれられたバイブが動き続けている。 俺は、たおれていた身体を四つん這いにして、下半身を覗き込んでみた。後孔にはバイブが突き刺さったままらしい。そうして、それはガムテープできっちりと身体に固定されていた。 「う……うぅ…」 気持ちが悪いような。でも、うっとりとその後孔の感覚に酔いそうな。 「あぁ……あぁ……」 意識がはっきりとしてくると、その、下半身の感覚が、快感なんだ…ということが自覚させられた。 じわじわとペニスが勃ちあがっていっている。 後孔を掻き回されて、ペニスが勃起する、というのが奇妙に見えたて、その下半身が自分のものではないようにかんじた。 けれども、確実に屹立している。 それに、時折、バイブが中の弱い部分を擦り上げると。身体がビリビリとして、背筋を脳天まで快感が突き上げてくる。 「はぁ……あぁ……バイブが……」 気持ちが良い。そう言いたかったけれど、舌が回らなかった。唾液が、ただ、唇から垂れ流れて、床に落ちていた。 俺の下半身の辺りには、ペットシートが引かれていた。それをみると、俺は寝ている間に失禁したらしく、尿の跡が広がっていた。俺は、そのことを一瞬だけ、恥ずかしい…とおもったけれど、すぐに、また、快感に頭がぼんやりとしてきた。 首をひねって、横をみると、青年がよこたわっていた。 いや、よこたわっていた、という表現はなんだか間違っている気がする。 四肢にくくりつけられていたビニールと、ガーゼが取り払われていて、その切断面がくっきりとみえていた。 そうしていると、胴体だけの青年は、本当にただの肉塊に見える。青年は仰向けで、右目をギョロリとあけて、天井を見ていた。 俺は、青年の姿を見ながら、四つん這いのように膝をたてて、右手で自分の性器を擦った。指でしごくと、完全に勃起する。だけれども、それだけでは、まだまだ刺激が足りないような気がしていた。 指の刺激だけでは、物足りない。 もっと、強烈な刺激が欲しい…。 俺は、青年の後孔にペニスを入れたときの、快感を頭の中によみがえらせていた。 あれは、強烈に締め上げられて、たまらなかった。また、あんな快感を感じたい。 そうしないと、本当の快感を得られないような気がする。 俺は、クスリのせいだったのかもしれない。 とにかく、快感を貪りたい…という気持ちが先走っていた。 青年の後孔に、また性器を入れよう…と、俺は青年のすぐ傍まで這っていった。それは、俺の後孔に入れられているバイブの刺激のせいで、立つことができなかったから。ただ、床をズリズリと這いつくばることしかできなかった。 「あ……あぁ……」 でも、青年の傍まで這っていって、その後孔をみつめて、俺はため息をもらした。 彼の後孔にもバイブが入れられていて、ガムテープでびっちりと固定されている。 俺は、ガムテープを剥がして、このバイブを取り出し、俺のペニスを入れようか…と思ったけれど…。 俺の頭の中でよどんでいる快感は、増大で。そんなこまかい手間をするような余裕がなかった。 それに、その作業のためには、この青年の身体を反転させなければならない。 ビニールとガーゼをうしなって、両手足の切断面を剥き出しにしている身体は、なんだか気味が悪くて。自分の手で、回転させる、というのは、たまらなく嫌で、想像もしたくなかった。 これでも、本当に人間なんだろうか…。 でも、時折、青年の目がギョロっとこちらをむくと、これが「人間だ」と実感させられて。 俺は、ゾッとした。 それでも、俺の下半身に溜まって言っている快感は強烈だった。 「気味が悪い」とか「視線が嫌だ」などと冷静に考える瞬間もあったけれど。 それよりは、「この、たまらない性欲をなんとかしたい…」という考えの方が強烈で。 頭の中で、どんどんと、「快感を得たい」という考えの土砂が流れてくるように。 性的な欲求に飲み込まれていった。 でも、この青年の後孔にペニスを入れることはかなわない…。 あぁ、でも、どこか。強烈にペニスを締め上げてくれるような場所が欲しい…。 俺は、仰向けの青年の身体を、上から下まで、じっくりと見た。とはいっても、四肢がないので、肩から、太腿の付け根まで。短い身体だった。 そこで、ふと、俺は、青年のへそに目がとまった。 小さな小さな穴だけれど。ここを広げて、ここにペニスを差し込んだら……。 「あぁ……」 俺は、自分の考えにうっとりとなった。 きっと、ギチギチと皮膚がペニスを締めつけるに違いない。それは、どんな快感だろう…。俺は、修が置いていった段ボール箱を引き寄せて、中を漁ってみた。 ソコの中には、いくつかの毒々しい色の淫具と、ガムテープ。それに、それを切るためのハサミなんかが入っていた。 俺は、「これだ」と思い、ハサミを手にとった。 そうして、青年の元に、這っていった。青年は、右目だけで、こちらをジッと見ていた。その視線が痛いようにも思ったけれど。俺が今からしようとしていることを見せつけたいような気持ちもあって。 俺は、その視線に笑みで返した。自分の顔が、「考え」に、にやついているのが想像できた。 「あぁ……小さいね…」 俺は、右手にハサミをもって、青年の胸の上に左手を置いた。 ほんのりと温かくて、しっとりと汗ばんでいる肌が手のひらに吸い付くような感じが。この青年が、「生きている」ということを感じさせた。 俺は、青年のへそをじっとみてからのその小さな穴に、ハサミを閉じたまま、突き立ててみた。 「ひぃ……うぐ……」 青年の声があがった。俺は、想像通りの、「激痛」を訴えるような声が、たまらなく愉快に耳に響いた。 「あはは…痛い? 」 俺は、突き立てたハサミを、グリグリと回転させて、へそを広げるように動かした。 そのたびに、青年の胴体がヒクヒクと痙攣する。 胸をおさえている手にも、青年の心臓がパクパクとはやく打ち始めているのがよくわかった。それに、へそから、おびただしい血があふれ出てきていた。 「すごい。すごく血が出てきている。痛い?」 「あ……いた……あぁぁ……壊れる……」 青年の声は、痛みと恐怖のせいで震えていた。目からは涙が溢れていて、黒目がどんよりと滲んでいた。 俺は、その様子が滑稽で。グリグリとより、ハサミを回転させて、へその穴をおおきく広げていった。 「ひぃぃぃぃ……」 そのたびに、悲鳴が上がる。なんだか、オモチャを扱って居るみたいな気持ちにさせられた。 俺は、へそが、直径3cmくらいに、かなり大きくなったのをみつめて、ハサミをはずした。 「あ……あ……」 青年は喉をそらして、微かな喘ぎ声をもらしていた。 俺は、その様子を見つめながら、青年の胴体を、膝立ちでまたいだ。そうして、広がっているへその血だまりに、ペニスの先端を押しつけてみた。 「ひぃ……無理……あ……あぁぁ…」 青年は、俺の意図がわかったのか、ブルブルと激しく胴体をうごかしていた。でも、その震えが、より、滑稽に見えて、俺の興奮を催した。 「入れるよ」 屹立したペニスを、その血だまりの中に押し込んでいく。 「う……きついな……」 中から押し返そうとするような感触がしたけれど。 俺は構わずに腰をすすめた。 「ひぃ……ひぃ……あ……苦しい……」 青年は、唇をかみしめて、そこからも血が出ていた。 俺は、腰をどんどんと押し進めていった。そうすると、俺の後孔に入っているバイブの持ち手が、青年の胴体にあたって、より、深くまでおしこまれる感覚があった。 「あ……あぁ…きもちいいい」 ペニスはギチギチと締め上げられて、後孔のバイブが奥まで入ってくる。 両方の刺激で、俺は頭がクラクラとしてきた。 「ひぃ……う…」 青年は、口から泡を吹き始めていた。唾液があわだって、白くぶくぶくと口からでているのが、愉快だった。 「あはは。魚みたいだ」 部屋の中に、俺の笑い声が響いていた。 「あぁ、おちんちんがへそでしめつけられている…。きもちいい…きもちいいよ」 俺は激しく腰をうごかした。中から押し返そうとしているのは、臓器だろうか。俺は、青年の内臓に、直接ペニスの先端を擦りつけているのか…。 「あ……あぁ……いい……」 そう想像すると、身体の中がどんどんと快感で満たされていった。 学校の理科の標本模型で見たことがある、あの臓器に。ペニスがこすれている。 「あぁ……あぁぁ……」 俺は頭の中の考えと、後孔のバイブの刺激。それに、ペニスを締め上げてくるへその皮膚に誘導されるように。 頭の中がチカチカと点滅した。 「あ……イク……イク……」 うわずった声は、自分のものではないみたいだった。 ただ、頭の先っぽまで快感が駆け上がってきていて。身体がブルッと大きく震えるのが分かった。 同時に、ペニスの先端から、精液を放出していた。 「あ……あぁ……出る……出る……」 俺は、ペニスをより、へその奥まで入れよう…と身体を密着させた。ビクビクと身体が痙攣し続けて、精液があふれ出していた。 「あ……あぁ……」 俺は、身体を離して、ズルリとへそからペニスを抜き出して、何度も深呼吸をした。 たまらなく気持ちが良かった。 なによりも、内臓にペニスが擦りつけられているのかも…とそうぞうすると、たまらなく。 その、ペニスの先端があたっている柔らかい物が、いったいなんなのか分からないのが。 より、快感を増幅させていた。 「あ……あふれてきている…」 青年のへそから、血にまじってて、俺の精液もゴポゴポとあふれ出てきていた。 へそからでている血はおびただしくて、俺は、青年の身体股間部分にひかれていたペットシートをすこしだけズリ上げて、青年のへそ部分あたりにもってきた。 そのシートが、みるみる血であかくそまっていった。 俺は、青年のへそがおおきく広がっているのをみると、その奇形な光景が。たまらなく目に新しかった。もっと、広げようか…。 そうしたら、中から内臓が出てくるかも…。 「はは……。ここから、内臓って出てくるのかなぁ…」 俺は笑いをみらえることができなくて、大きく開いたへそを指でいじっていた。 指をいれていくと、どんどんと奥まで入っていく。同時に、血と精液が、まじったものが、青年の身体を垂れていっている。 「ひ……ひぃぃ……」 青年は、右目だけをおおきく見開いて、俺の仕草をみつめていた。左目を潰してしまったのが惜しいような気がした。 こうして、ここから青年の臓器を引きずり出す光景を見せつけたいような気がしたから…。 「あ…でも…」 ふと、修の事が頭に浮かんだ。 そんなことを勝手にしたら、修に叱られるかもしれない。 彼は、修の「おもちゃ」なんだ。けっして、俺のものじゃない…。 そう考えると、もしも修がおこったら…と思うと怖くなってきた。 俺は、じりじりと青年から身体を離した。 そうすると、後孔にはいって、震えているままのバイブの存在が、より大きく感じられた。 俺は、青年から離れて、部屋の片隅で、ジッと青年をみつめていた。 へそからでている出血は止まりそうにない気がした。もしくは、もう、止まっているのかも知れない。ただ、遠く離れたし。確認しに行ったら、そのときに修が帰ってきたら…と思うと、なんだか怖くて。近寄ることもできなかった。 どれくらいが経ったんだろう。 何時間も経ったようにも思うし、ほんの、数十分だったのかも知れない。 ガチャとドアが開く音がした。 すっと涼しい空気が部屋の中に入ってくると同時に、修がジャージにTシャツ姿で入ってきていた。それではじめて、「この部屋の中が、血と精液の匂いで充満しているんだ」という事にきづいた。 修は入ってくると、血だまりの青年をみつけて、ギョッとしたようだった。 目が大きく開かれたので、その驚きが分かる。 「ご……ごめんなさい…」 俺は、入ってきた修の足の方に這っていって、床に額をついた。 修は、しばらく、俺と、青年を交互にみていたけれど、床に膝をついて、よこたわっている肉塊の青年のへそ部分をじっくりとみつめていた。 「ここに、オチンチンをいれたのかい? 」 修の声は静かだったから。おこっているのかどうか分からなかった。だから、俺は余計に恐怖を覚えて、「媚びなければならない」とおもった。 そうしないと、俺も、この青年のように、四肢を取り払われて、ただの肉塊にされてしまうような気がしたから。 「ご…ごめんなさい…がまんできなくて……」 修は、ジッとしていたけれど、すこしすると、俺の髪の毛を手でなでた。 「あぁ、いいよ…。いいんだよ。 俺がちょうど帰る頃にクスリの量を合わせておいたんだけど。 残業ですこし遅くなったからね。我慢ができなかったんだろう。いいんだよ」 俺は、修の声と、その手のひらに、すこしホッとした。 「でも、へそを犯すというのは考えたね。あぁ、こんなにもへそが大きくなって。ぽっかりと穴をあけている」 クスクスと修が笑っていたので、俺もつられて笑った。 青年は、ギョロッと俺たちを責めるように視線を動かした気がしたけれど。 俺の気のせいかも知れない。青年には、そこまでの「元気」がもうなくなっているように見えた。 「じゃあ、もっと別な場所も犯してみようか」 修は愉快そうに言うと、ハサミをもって、青年の鎖骨の間に突き立てた。 「ひ……」 青年の悲鳴と、俺の悲鳴が重なった。 突然のことだったので、びっくりして、俺は大きく目を見開いた。 修がハサミを突き立てた瞬間、血がピュッと散って、床と壁についた。それに、修の白いTシャツにも。血がほとばしっていた。 俺だけはかろうじて、飛び散った血から逃れられていた。 医療ドラマで見たことがある、「気道切開」を思い出した。発作なんかで、タンとか、血液が気道に溜まってしまったときに、医者がよくしている処置だった。 首を、横数センチ程度に切り、気道に鉗子を入れて、食道の通りをよくする。 鉗子がない場合は、指で、そういう作業をしているドラマをみたことがある。 修がしている行為は、「気道切開」に似ていた。 ただ、この青年は、気道が詰まっていたわけでも何でもないのに、そういう作業をほどこされたことだけが、特別なようで…。 「あ……あ…」 青年の口からは、掠れたような息しか漏れ出ていなかった。喉を切られたから、声を出せないのかも知れない。 「あぁ、これが、食道かな…」 修は、突き立てていたハサミを抜き取って、かわりに、その裂け目に指を入れていた。 首の穴から血があふれ出ていて、さっきの俺の行為で出た血の上に重なり、ペットシートがどす黒くなっていた。 俺は、ジッと修がしている行為をみていた。 首に穴をあけられた青年は、口を「パクパク」とさせて、喘いで居るみたいだったけれど、声になっていなかった。だから、本当の「モノ」みたいに見えた。 「さぁ、穴が開いた。 敬偉。ここに、おちんちんを入れてごらん」 「え……」 一瞬、修の言っている意味がわからなくて、俺はきょとんとしてしまった。 だけれども、気付くと、俺は、「修と青年」の異様な光景に、興奮していたらしい…。 股間のペニスが、すっかり勃ちあがっていることに気付いた。 「あ……あぁ……なんで…」 俺は、不思議だったけれど。そういえば、修が「クスリをもっていた」と言っていた。そのせいかもしれない。さっき、青年のへそに射精したのに。また、勃起しているのが不思議だった。それに、そんな奇妙な光景に興奮しているのが…。 「あ…へん…」 勃起しているのをみると、なんだかたまらなくなって、俺は、自分のペニスに指を絡めた。修が、手を伸ばして、俺の腕を引き、青年の横まで、ズリズリと床を引きずった。 「あ……あぁ……そんな…」 「ほら、もうこんなになっている。すっかり勃起して」 修の指が、ペニスに絡んできた。 「あ…」 ジンと快感が身体を突き抜けた。同時に、青年の首に開いた穴に目がいった。 「さぁ、ほら、敬偉。ここに、おちんちんを入れてごらん。 きっと、とても気持ちがいいよ。 この男の、細い食道の中にペニスをいれて、擦るんだ」 「あ……そんな…そんなことを…したら……死んじゃう……」 俺は、青年の首から出ている鮮血に、目を奪われていた。 「死」という言葉が、自分の口から出てのが、なんだか意外だった。そうだ…。 この青年は、一応、「生きている」んだ。もしも変なことをしたら、死んでしまうかも知れない…。 そう思うと、なんだかゾッとしてきた。でも、そのことは、より、俺の興奮を助長した。 ペニスが股間でビクと震えて、背筋をゾクゾクとした快感が這い上がっていった。 「そんなに簡単に、人間は死なないよ。大丈夫。 きっと、細い食道の中にペニスを入れたら、気持ちがいいよ。 ギチギチとしめあげてきて。それに、後孔とは、また違った粘膜の感触があるだろうね。 この青年が、息を吸うたびに、ペニスが、ギュッとしめつけられて」 修の言葉に、俺の頭の中に、その感触がまざまざと浮かんできていた |
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