子供
(2)

それは、ひどく不似合いな気がした。この粗雑なコンクリートに似合うように、もっと少年の身体も変えなくては…。

喜吉は、少年の腹を蹴った。

「ひぐ……」

少年の身体がエビのように丸まる。その様子も滑稽だった。

何度も何度もそうして蹴り上げていると、腹からも血が滲んできていた。それに、蹴飛ばされるたびに打ち付ける背も。裂けたような傷がはっきりとおおきく着いていた。非常階段のあちこちに、血のあとが散らばって着いている。その鮮血の紅さに、喜吉はうっとりとした気持になった。

あぁ、こんな充足感を感じたのはいつ以来だろうか…。初めてかも知れない。

初めて女性と性交をもったときも、その生々しさと、ねばっこい、独得の陰湿な雰囲気が嫌だった。ただ、自分を強引に興奮させて、性交を達成させる。それだけの繰り返しだった。

それが、今はどうだろうか。気持の奥からワクワクとしてきている。

喜吉は、少年の足首をつかんで引きずると、その身体を仰向けにして折り畳んだ。

ちょうど、膝が、少年の顔の横につくように、身体を2つにたたむ。

そうすると、少年の股間があらわになった。

まだ未熟なペニスと陰嚢が見える。それに、尻たぶを左右に割り広げると、後孔がはっきりと見えた。

「あ……あぁ……綺麗だ…」

喜吉は、その後孔をみて、そう呟いた。

少年の呼吸に合わせてピクピクと蠢いて、本当に綺麗に見えた。

喜吉は、そこで、自分が興奮していることに気付いた。ズボンの中のペニスが窮屈だった。

「あぁ……あぁ……いいね……いいよ」

喜吉は、少年の尻の穴を見つめながら、自分のズボンの前をくつろげて、ペニスを剥き出しにした。それは、すでに勃起して固く勃ちあがっていた。それがなんとなく不思議な気がした。いままでは忌み嫌っていた少年相手に、どうしてこうも興奮しているのだろうか…。いや、いままでは忌み嫌う振りをしていたのかもしれない。本当は、ずっとこうして少年をねじ伏せたかったのではないのだろうか…。

こうして、少年の顔をなぐって、つぶし、少年が苦痛に喘ぎ、たすけを求めている姿を見たい…そうおもっていたのではないのだろうか…。

そう考えると、より自分が興奮してきているのを感じた。

喜吉は、その勃起したペニスを、少年の後孔に押し入れよう、とした。しかし、後孔はきつくて、なかなか入らず、尻たぶの間をズルズルと滑ってしまうばかりだった。そのことが、余計に喜吉を苛々とさせた。

「クソッ」

喜吉はそう声を上げると、自分のもっていたカバンから文具ケースをとりだして、中からカッターナイフをつかんだ。そうして、そのカッターナイフの切っ先を真っ白い尻たぶにあてて、スーッと一直線に線を引いた。そうすると、ぱっくりと尻の肉が割れて、そこから血がにじみ出てきた。

「ははは…。こうしてみてみると、尻の割れ目が2つあるみたいだ」

喜吉はそう言って笑いながら、そのあふれ出てきている血をすくって、後孔にべったりと撫でつけた。

血はすくってもすくっても流れ出てくる。喜吉はある程度力をこめて、尻を裂いていた。

何度も何度も血を指ですくっては後孔に撫でつけていっていると、ジワジワと後孔が血で濡れて、緩んでいって居るような気がした。

「さぁ、入れてあげよう…。もう入るだろう…」

喜吉は、血でべったりと濡れている後孔に、ペニスの先端を押し当てた。それでも、なかなか入りそうになかった。だから、強引に、グイと腰をつかんで、引き寄せた。

「ひ……ひぃ」

少年の目が見開かれて、目玉がこぼれ落ちるんじゃないか…と思った。それと同時に、ズチュと音がして、喜吉のペニスが少年の後孔の中へと押し込まれていった。

「あはははは……ははは……入った。

 入ったね。君のお尻の穴の中に。はははは」

喜吉は愉快でたまらなくなって、大きな笑い声を上げた。それに、きつすぎるくらいに締め付けてきている後孔が、とても気持ちよかった。

「ひ…ひ」

少年は、もう悲鳴をあげることもできないようで。ただ荒い息づかいをしているだけだった。そのことが、余計に愉快で滑稽に見えた。

眼は瞬きを忘れて、おおきくひん剥いたままだ。

「あぁ……いいね……いいよ……」

喜吉は、ゆっくりと腰を動かしはじめた。

「う……うぅ……」

ペニスのクビレの所まで引き抜いては、グルリと腰を動かす。そうすると、ピシピシと裂けるような感触がして、後孔がゆるまった気がした。

喜吉は結合部を覗き込んで、そこが何カ所も裂けているのを確認した。

塗りつけただけではない血が、裂けた後孔の襞からしたたり、流れていた。

「ふふふ……ははは……見てごらん。お尻の穴があちこちで裂けている。血がたくさん出てきて…。あぁ、うごくのが楽になった」

「ひ…ひ」

少年は、自分の後孔など見ることが出来るはずがない。ただ、喜吉は少年の顔が、苦痛に歪んでいるのを見ていると、たまらなく愉快できもちがいい…と思った。

そうすると、腰が勝手に動き始めた。

「あぁ……あぁ」

今まで、こんな感覚は経験したことがない。腰が勝手に激しく動いて、少年を突き上げている。少年は非常階段で頭をうち、そのたびにゴンゴンという音がしている。奥まで突き上げる度に、ピシピシと後孔が緩くなっていくのが、より快感だった。

「あ……あぁ……いいよ……いい……」

「ひ……ひぃ……」

「あぁ……ほら……「中に出してください」って言ってごらん」

喜吉は、少年の引きつった顔を見つめながら、そう言った。しかし、少年はその言葉が耳に入っていないのか、浅い悲鳴のような息を繰りかえすだけだった。

「ほら……「中に出してください」って言えっていっているだろう…」

喜吉は、少年の首を右手でつかんで、グッと締め上げた。

「ひ……ひぃぃ」

じっくりと長く絞めてから指を離す。そうすると、少年は咳き込んで「あぐ……ぐぅ」と口から唾液を垂れ流していた。

「な…。「中に出してください」だろ。ほら、言えよ…」

「ひ……ひぃ……あぁ…。

 な……中に……中にだして…ください」

少年は言葉の意味が分かっていたのかいなかったのか。

ただ、喜吉はその言葉をきくと、満足した心地になり、少年の後孔の一際奥までペニスを押し入れた。

「あぁ……イク……イク」

言葉が先だったのか。同時だったのか。喜吉も快感で頭がクラクラとしてきていて、分からなかった。ただ、きつく締め付けてきている後孔内。

腸の奥に、精液を打ち付けた。

喜吉は頭の中にその光景を思い描いていた。ピンク色で、うねって、凸凹としている腸壁に、自分の白く濁った精液が打ち付けられ、吸収されていく。

「いい……いいよ……」

喜吉は、精液を最後の一滴まで放出するように。腰を引き寄せて、しばらくジッとそのままでいた。

「あ……あつ……うぅぅぅ」

少年の苦しそうな声が聞こえたので、喜吉は少年の両太股を掴み、身体を折り畳むようにしてから、自分は身体をあげた。そうすると、結合部がよく見える。そこは血でべったりと汚れていたけれど。中に放出された精液も、泡だって、血と混じって溢れてきていた。

「あぁ……裂けている。あちこち裂けているね…」

その裂け目からドクドクと血が出ているのを見ていると、たまらなく満足した心地になった。それに、少年の尻にはカッターでつけたまっすぐな傷まである。

喜吉は、非常階段に倒れ込んでいる。「潰れたような少年」を見ているうちに、気持がドクドクと興奮してきているのをかんじた。

 

喜吉は少し自分の頭が平静になってくると、床に放り出されていた、少年がせおっていたリュックを引き寄せて、中を漁った。そうして、プリントを閉じている紐を引き抜き、それで少年の両手首を後ろ手に縛り上げた。

「いいかい? ここを動くんじゃないよ。もしも逃げたりしたら、君の今の姿をYouTubeでアップしよう…。そんなことになったら、君のお母さんもお父さんも悲しむだろう」

喜吉は少年にiPhoneを向けてその血まみれの股間と、ペニス。それに、潰れた顔を映してから、そう言い聞かせた。

少年は、ただ無言で頷いていた。それに、どう見ても、少年が動くことなど出来そうになかった。

喜吉は、少年をそこに置いたまま。小走りに新宿駅の方へて向かって、ディスカウントストアで大きなスーツケースを購入した。「とにかく荷物が入ればいいから、一番安い物を」と言って、購入したそれを引いて、少年を置いてきた非常階段まで戻った。

 

ディスカウントストアで購入しているときも、スーツケースを引っ張ってきているときも。

さっきまでの事は全てが夢うつつのことのような気がしていた。自分は電車で眠って、そういう夢を見ていたのではないのだろうか…。

しかし、それにしては、鼻に血の臭いと精液、少年の汗の臭いがこびりついているような気がしていた。

 

だから、ドアを開けて、少年が、喜吉がでていったときと変わらぬ姿で倒れているのを見つけると、心から安堵した気持になった。

 

「ふふふ…さぁ、これだったら入るだろう…」

喜吉は、ぐったりとしている少年の身体を抱き上げて、そのスーツケースの中に入れた。

三角座りに、身体を折り畳むようにして入れてみると、案外と余裕があるくらい。少年の身体はすっぽりとそれに収まった。

ただ、スーツケースを引くと、やはりずっしりと重たかった。

しかし、その重たさが、そこに「少年が入れられている…」ということの証明のようで、喜吉は心が躍るような気分になった。

 

新宿に来たときとはまったく気分が反転していた。今にも鼻歌でも歌いたいような心地だった。電車に乗っているときにも、まさか誰も、ここに少年が入れられている、とは思うまい…と思うと、まるで密かにオモチャを持ち歩いている子供のように、ワクワクとした気分になった。

だから、喜吉は自宅の最寄り駅で降りてから、自分の子供達に、少し高価なおもちゃ付きの菓子をコンビニで購入した。このスーツケースは、庭の物入れに入れておこう。そうして、時折、開けては愉しんでみるのだ。それは、どんなに愉快だろう…。

 

そう、想像したら、普段は重たい帰宅の足が、とても軽く感じられた。

喜吉は、まず、真っ先に妻に見つからないように物入れにスーツケースを仕舞った。

そうしてから、自宅のドアを開けて、妻と対峙した。

妻が「お帰りなさい」と言うよりも早く「ただいま。おい、お土産があるぞ」と家の奥に呼びかけた。

小さな子供達が走ってくる。やはり、愛らしいとも、なんとも思わなかったけれど。子供達が「パパ、ありがとう」と喜んでいる姿を見ていると、満足感を得られた。妻は「貴方、随分とご機嫌みたいね。何か良いことでもあったの? 」などと嬉しそうに語りかけてきていた。

喜吉は「まあね」とだけ言ったが、やはり顔がにやついてしまいそうで、緊張していた。

 

さて、倉庫の少年をどうしようか…。

それに考えを巡らせながら、喜吉は妻の作った料理を「うまい」と言って食った。

 

子供 2014 03 17 UP
そろそろ更新しなければ…と思いつつも、3月には祖母の法事があったり…でバタバタ
としていて、なかなか更新できなかったので遅くなってしまいました。すみません。

これは、本当に軽い感じで、2時間くらいで書いた超短編です。
続きは……たぶん、書かないと思います。
久しぶりに書いた短編です。
最近は長編癖がついていて、ついついダラダラと長く書いてしまうことが多いです。

あまりエロ度は高くないかな…。

よろしれば、感想などいただけると、小躍りして喜びます!!

読んで下さってありがとうございました。
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