パティシエ

パティシエって、ずっと憧れていた。

だから、近所のケーキ屋でアルバイトできることが決まったときは、すごく嬉しかった。

せっかく、調理師学校に通っているんだから、アルバイトも、専門学校に関係があるような所でしたい。

でも、今までは、なかなか、募集がなくって。しょうがないから、コンビニでアルバイトをしていた。

 

ようやく、念願のケーキ屋でアルバイトが出来る。

「よしっ……」

理桜は店に入る前に、再度、気合いを入れ直した。

 

今日は、明日からの勤務の予習をしよう、と言われている。

閉店後に、とりあえず、扱っているケーキの種類。それに、接客態度。

働く上で、知っておかなくては行けないこと、を教えるから。

「午後10時を過ぎて、来てくれ」とオーナーから言われていた。

 

時計を見ると、10時になる、5分前だ。

閉店時間が、9時半だから。もう、店内には客はいない。

「失礼します……」

Closet」の札がかけられている、淡い水色のドアを開けた。

閉店と同時に、ブラインドを閉めてしまうので、外からは、店内の様子が分からない。

自分以外にも、アルバイトの人が残っているのか。

「あぁ……理桜くん……。入って、入って」

店内のショーケースには、ちらほらと、売れ残っているケーキがある。

でも、ほとんどが完売してしまっているようだ。

駅からすぐの所にあるから。いつも、繁盛している。

「あ…はい…」

声に、するりと身体を店内に入れる。なんとなく、もう、閉店しているから、こっそりと入らなきゃ行けないような気がする。

「失礼します……」

店内は、薄暗い。奥の工房だけ、明かりがともっている。

明かりの中から、ヌッとパティシエ服の店長がでてきた。

「こっち、こっち。工房の方から、見て欲しいんだけど」

「あ…はい…」

手招きされて、おずおずと、工房の中に入った。

 

理桜も、今まで、なんどか、このケーキ屋で、ケーキを購入したことがある。

自分好みの味だし、自分も、こういうケーキを作れるようになりたい、と思っていた。

だから、アルバイトが決まったときは嬉しかった。

工房の中は、いつも、外からちらっとのぞくだけ。

その工房に入れる。

どうしても、気分が高揚してしまう。

「ここが、一応、調理場。まぁ、まずは販売の方からして欲しいから。

 ケーキの種類を、全部覚えて欲しいんだけど…」

「はい……」

工房は、おもっていたよりも、ずっと清潔だ。

今までアルバイトしてきた、どこの飲食店よりも、明るくて綺麗。

「理桜くんのために、一応、全種類のケーキを取っておいたんだ」

「…あ…はい…」

自分のために、というのが、なんだか申し訳ないように思う。

恐縮して、肩をすくめてうなずいた。

仕草に、店長の口元がゆるむ。

「じゃあ、そこに座って」

調理室の中に置かれている、パイプ椅子を指さされた。

「はい……」

いかにも、理桜のために置いている、という感じだ。

「うちのケーキは、食べたこと有る?

「…はい……。ちょっとだけ…ですけど…」

調理台の上には、モンブランやショートケーキ、苺タルト、プリン、シュークリームなど。

甘い物好きの理桜には、たまらない物ばかりが並んでいる。

「ちょっとだけ、だと困るな。全部覚えて貰わないと」

店長が、苦笑して、椅子に座っている理桜を見下ろした。

 

背が高くて、いかにもパティシエ風で、すらっとしている。

こんな若くて店を持てた、ということは、きっと、金持ちの出身なんだろうな、と思わせるような雰囲気がある。

 

「あ…そうですよね……」

理桜も、コクリとうなずいて、ケーキを見た。

「じゃあ、まずは、味から覚えて貰おうかな…」

「はい……」

うなずくと、店長がほほえんで、ポケットから長くて黒い布を取りだした。

「見た目に惑わされずに。きちんと、味を、覚えて貰いたいからね」

「はい……」

「目隠し…して、食べてみようか…」

「……え……」

店長が、うっすらと微笑んで、黒い布を持っている。

「……あ……」

突然の言葉に動揺する。

きちんと、商品を覚えなくては行けない、とは思っていたけれど。

まさか、目隠しされるとは、思っても見なかった。

「はい、じゃあ、目隠しするね」

両目に、黒い布が当てられる。

頭の後で、ギュッと縛られる感触。

視界が、真っ暗になってしまう。

何も見えない、というのは、ひどく心細い。

「……っ……」

でも、店長が、言うならば。

言うとおりにしないと。

せっかく、念願のパティシエに、すこしでも近づけるのに。

「…はい……」

「じゃあ、私が食べさせてあげるから、何のケーキだと思ったか、言ってみてね」

「………はい……」

今まで、誰かに食べさせて貰った、なんていう経験、ない。

ひどく恥ずかしいし、何も見えないので、なんだか心細い。

「はい。口開けて……」

「あ、はい…」

言われるがままに、口を開けた。

唇に、冷たいフォークの感触があたる。

「……はい…」

口の中が、ふわぁっと甘くなる。

ふわふわのクリームが口内いっぱいに広がっていく。

どわりどわりと、濃厚な甘さが、後から出てくる。

「…何のケーキだと思う?

「あ……っと……モンブラン…かなぁ……」

おずおずと口に見えないけれど、店長の方に首を上向けた。

ジーンズの上で握りしめている拳に、どうしても力が入ってしまう。

「はずれ…。パンプキンのクリームタルトだよ」

「……あ……」

恥ずかしさで、顔に血液が集まっていく。

「もっと、「味」に集中しないといけないなぁ」

店長の、ため息混じりの声が聞こえる。

「……す…すみません」

肩をすくめる。

「っあ……」

膝の上に置いていた手に、何かが触れた。

「味に集中するためにも、この手も、縛っておこうか。

もっと、全身全霊で、味に集中しないとね」

「あ……いや……」

両手首に、何かが触れている感触がある。きっと、店長の長い指が触れているんだろう。

「それに、緊張しすぎだから。リラックスして」

手首に、布の感触が当たった。

「え……いや……」

どうしたらいいのか分からない。

予想外の事で、頭の中が、ひどく混乱している。

抵抗したいのに、「ここでアルバイトしたい」という思いがあるから。

思ったように行動できない。

「さ…。これで集中できるだろう」

「…は…はい……」

両手首が、布でがっちりと縛られた。

目隠しされて、両手首の自由まで奪われて。

ひどく気持ちが落ち着かない。

「はい。深呼吸して…口開けてごらん」

「は……はい……」

再び、甘い香りがして、口の中にクリームが入ってくる。

「ほら、何のケーキかな?

「あ……ショートケーキ…ですか?

自信がない。

視覚がない、というのは、こんなにも心細くて、落ち着かない物なのか…と思う。

「これは、メロンのケーキ。全然駄目だね……」

店長の落胆したような声が聞こえる。

「……もっと全身でケーキを覚えてももらおうか…」

「え……あ……」

不意に、ヒヤリとしたクーラーの冷気が肌に触れる。

「や……あの……」

Tシャツが引っ張り上げられた。

「え……」

寒い、と感じる間もなく、ジーパンのボタンがゆるめられる。

「なにっ……」

「全身に教えてあげるよ。ケーキのおいしさを、ね」

店長の、笑みが混じったような声が聞こえる。

「ひっ……やめ……止めてくださいっ……」

両手を縛られているせいで、思ったように行動できない。

「あっ……あぁ……」

強引に、ジーンズを引っ張られて、身体がパイプ椅子から滑り落ちた。

「あぁっ……」

逃げなくては、やばい。

頭の中で、チカチカと警告灯が点滅するけれど。

縛られた両手のせいで、立ち上がることも出来ない。

「ほら、丸裸だ。これで、全身でうちの商品を覚えられるだろう」

「ひっ……あ……」

ズボンとパンツが、一気に引っ張られて、脚から抜けた。

「あぁ……」

剥き出しになっている下半身に冷気があたる。

「なっ……」

「今更逃げようとしても、無駄だよ…。それとも、こんな格好で外に出たいのかい?

店長に見下ろされているような視線を感じる。

笑い混じりの声に。羞恥心がかき立てられる。

「あ……」

やばいのかもしれない…という考えから、はっきりと、「やばい」ということが分かる。

「………」

全身から、冷や汗が一気ににじみ出た。

店内はクーラーが効いていて、涼しいはずなのに。

身体の上を舐めていくような冷気の感触が気持ち悪い。

なんだか、身体を空気が舐めているように感じる。

「じゃあ、3回目。口を開けてごらん」

「……あ……」

前髪が、鷲づかみにされる。

倒れたときに、うつぶせになってしっまたせいで。

裸の尻を、高く掲げた、四つんばいのような格好になる。

「あ……あ……」

姿勢を変えたいけれど、両手が使えないせいで、身体を思うように動かせない。

「ひ……」

そのまま、上半身を引き上げられた。

「あ……」

唇に、柔らかい物が触れる。

「うぐっ……ぐぅ……」

そのまま、一気に喉奥まで、異物が侵入してきた。

ケーキを載せたフォークが入ってくる、と思っていたのに。

「うぅっ……う……」

口を閉じることが出来ない。

大きな何かで、口を塞がれている。

「ぐぅぅぅ……」

「さて、これは何でしょう?

「うぅ……ぐ……」

「何か、全然分からない? それとも、何も言えないのかな」

笑い混じりの声が聞こえる。

理桜は、苦しくて、それどこじゃない。

口の中を、異物に侵略されていて、息が苦しい。

閉じられない口から、唾液がしたたり落ちていく。

「駄目だね、正解は、店長のおちんちんだよ」

「ぐっ……あ……」

「これもおいしいだろう。ほら、もっとよく舌を動かして、味わってごらん」

「あ……あぁ……」

喉の奥を、先端でグイと突かれる。

「うぅっ……」

喉の奥から、吐き気が上がってきてしまいそうだ。息もできないくらいに苦しい。

「うぐっ……あ……」

「これくらいで音を上げているようだと駄目だよ」

「あ……」

不意に、ペニスに指が触れた。

指先で先端に触れて、ゆっくりと指で握り込んでくる。

「う……」

ゆっくりと、ペニスを指がなで上げていく。合わせるように、喉の奥をペニスで突かれる。

「ぐぅっ……う……」

合わせているようなリズムに、身体がジンジンする。

性器を擦られる快感と、喉を突かれる苦しさで、身体がバラバラになってしまいそう。

「そう…ほら、理桜君も気持ちいいだろう」

「うぅぅ……」

じわりじわりと、ペニスに血液が集まっていく。

指の腹でペニスをなぞられて、双球をもみしだかれる。

「ほら、こんなにおっきくなったね。おちんちん」

「あ……ぐ……」

笑み混じりの声が聞こえる。

「どうせだったら、もっと可愛く飾ってあげようか」

口の中を支配していたペニスが、ズルリと口から抜け出た。

「ひっ……」

不意に、胸の辺りに、なんだか羽で触られるような、気持ち悪い感触がする。

「なっ……」

何してるんですか…といいたいけれど、限界まで口を開けていたせいで、うまく舌が回らない。

止めてください!と抵抗したいのに、下半身から上がってくる快感に、頭の中が支配されそうになってしまう。

「うん、可愛くなったよ。見てみたいかい?

「……はい……」

店長の楽しそうな声が聞こえる。

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