小説家の日常
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動かないで、と言ったつもりだけれど。口からは、悲鳴みたいなうわずった声しか出なかった。

唯が、腰を、ペニスが後孔から滑り出る、ギリギリまで引いて。

「あ……ひ……」

今度は、最奥まで突き上げてくる。

「い……い……」

「あぁ……先生、だらしがないな。口から、こんなにもツバが漏れて」

唯の手が、閉じることの出来ない唇を指でグイと拭う。

「あ……」

べっとりとツバにまみれた唯の指が。目の前に突きつけられた。

「ほら、汚いでしょう」

「ひ……」

唯が、髪の毛に。ツバがべっとりとついた指をなすりつけてきた。

前髪に、自分の唾液が。塗りつけられて。

髪の毛が額に貼り付く。

気持ち悪い。

 

でも、口を閉じたくても、閉じられない。苦しくて。

後孔を押し上げてくるペニスが、痛すぎて、身体の全神経が、支配されていて。

「うぐ……」

「あぁ…、じゃあ、口は、私がふさいであげましょうか」

髪の毛を掴んでいた佐藤が、片手で器用にズボンの前を開けた。

「ひ……ひ……」

目の前に、佐藤のペニスが。突きつけられる。

さっき、唯のペニスがチラと視界にはいったのを思い出すけれど。

あぁ、人によって、ペニスってちがうんだ…と実感する間もなく。

「な……なん……」

頬に、唯のよりは、すこしだけ小さくて、赤黒い、佐藤のペニスがなすりつけられた。

生臭い。

魚まの内臓が腐ったような。嗅いだことがないような臭気が鼻をつく。

「うぐ………」

吐き気が食道を迫り上がってきた。

苦しい。

空気を吸い込みたいのに、生臭い匂いが鼻と口の中に充満していく。

「く……いた……いたい……」

顔をそらせようとすると、鷲づかみにされている前髪がひきつれた。

「ほら…逃げようったって、無駄だよ」

「ひ……ぐ……」

同時に、口の中いっぱいに。異物が侵入してくる。

たまらなく生臭くて、ぐにゃりと半分硬いペニスが。

口腔内に押し込まれてくる。

「先生、どんな気分ですか? ケツも、口もチンチンでふさがれると」

「うぐ……」

唯が右目の涙を指先でぬぐった。

ようやく、視界が少し鮮明になる。

 

ただ、目に入ってくるのは、唯の笑みと、口に入っているペニスの陰毛だけで。

「あぁ……締めつけがきつくなった。

 お口のチンチンは苦しいですか?

唯が笑いながら、腰を動かしてくる。

「ぐ……ぐ……」

息を吸い込もうと思っても、口の中いっぱいにペニスが入っていて。

空気が全然、肺に入ってこない。

 

ただ、苦しい。

このまま、窒息してしまうんじゃないか…と思う。

後孔も、口も、男のペニスに塞がれて、息が出来なくて、窒息。

 

どうして、こんな目に遭うのか分からない。

 

「うぐ……う……」

口からペニスを離したくても。髪の毛ががっちりと掴まれていて。顔をかすかに左右に動かす程度しか出来ない。

舌でペニスを押し出そうとしても。

ズルズルと滑るだけで。

口の中に、生臭い匂いが広がっていく一方だ。

「あぅぅ………」

「いいな…。気持ちいいよ、恵山さん。

アンタの舌、俺のチンチンの裏筋を舐めてくれて」

「いいな…佐藤さん……」

佐藤の言葉に刺激されるように、唯がグイと腰をおしつけてきた。

「ひ……」

「っつ………」

腸奥まで突かれて。瞬間的にからだがビクンッと痙攣した。

「いってぇ……何すんだよ」

「う……うぐ……」

苦しくて、おもわず、口の中の佐藤のペニスに歯をたててしまったらしい。

ズルリと。入れたときよりもやや硬くなっているペニスが口から引き抜かれる。

「あ………」

息が、一瞬楽になった。

思い切り、空気を吸い込もうとすると。

「ひ……」

ガンッと頭に激痛が走った。

「ひぃ……ひぃ……」

ガンガンッと立て続けに、頭に衝撃が走る。

「ひ……」

「あ……あぁ。いいな…。痙攣して。締めつけてくる」

佐藤の鞄が。視界いっぱいに迫ってきては、頭に打ち付けられる。

「罰だよ…。よくも俺のチンチンに歯をたてやがって……」

「いいよ……佐藤さん。

 アンタが殴ると、身体が痙攣して、締めつけてきて。気持ちいいですよ」

唯の、のんびりとした声が聞こえる。

「もっと、殴ってくださいよ…気持ちいい…」

「そうですか? 先生…でも…ずるいな…」

ベロッと、佐藤が舌を出して、唇を舐めた。

「ひ……」

また、鞄が。頭に振り下ろされる。

「い……い……」

ガンガンッと打たれると。痛くて、頭の中がチカチカと点滅する。

光彩が頭の中ではじけると、勝手に身体が震えてしまう。

「ひぃぃ……や……やめ……」

きっと、パソコンとか、書類が入っている鞄なんだろう。

痛すぎて。

額が腫れる気がする。

「ひぃ……ぃぃ………」

「ねぇ、先生。ずるいな。

 私も、混ぜてくださいよ」

「え……」

 佐藤が。半勃ちになっていたペニスを指で上下してしごいた。

みるみるうちに、硬く立ち上がっていく。

「い……あ……」

何をするんだ…と考える間もなく。身体がグイと持ち上げられた。

「ひぃ………いぃぃ………」

横たわっていた身体が膝立ちのように、起こせられる。

ただ、膝に力が入らなくて。実質は、唯のペニスに上半身が支えられて居るみたい。

「い……いた……」

グチュと音がして、唯のペニスが、更に奥まで入ってくる。

自分の身体の体重分も。ペニスで支えられている。

「ひ……ひ……」

苦しい。

身体の奥まで、ペニスが入ってきていて。

抵抗すべきなのかも知れないけれど。

「あぁ、かわいい…。顔の締まりがなくなって」

むに、と唯の手が頬をつかんで引っ張ってきている。

「入るかな……。まぁ、大丈夫だろうな……」

佐藤の声が、背後から聞こえた。

力の入っていない足がはらわれて。

「ひ……」

唯のペニスが入っている後孔の襞に、佐藤の冷たい指が触れてきた。

「い……い……いた……」

身体が、ビクビクッと勝手に痙攣する。

だって、唯のペニスが入っていて、限界まで広がっている後孔の襞に、佐藤の指が。無理矢理、侵入してきている。

「ひぃ……いた……」

チリチリとした痛みが。脳天まで突き上がっていく。

「む……無理……いた…」

「大丈夫、大丈夫。入りますよ」

一体、何が?と唯の顔を見上げようと顔を上げると同時に。

「ひ……ひぃぃ……」

「あぁ……やっぱ、キツいな……」

身体が引き裂かれる。

後孔から、メリメリと、2つに裂かれていくような激痛が。

全身にビリビリと走った。

「ひ……うぐ…………」

「あぁ……ほら…入っていく…」

「あ……あ……」

佐藤のペニスが、唯のが入ったままの後孔に、無理矢理ねじ込まれていっている。

「切れてるから…。血が、ちょうどいい潤滑剤になりますね…」

佐藤の声も。いつもの声じゃなくて、うわずって居るみたい…。

ただ、冷静にそんなことを考える間もなく。また、激痛が全身を駆け抜けていく。

「ひ……ひ……」

やめろ…とか、無理…とか。言葉を発しているつもりだけれど、口から出ているのは、ただの悲鳴みたいな言葉だけ。

「あぁあ…。可哀想に。先生のチンチン、こんなに小さくなっちゃって」

「あ……う……」

唯の指が、縮こまってしまっているペニスにふれてきた。

「い……や……あ…」

無理矢理、唯が指を動かしている。

上下に刺激して、双球まで、揉み込むように動いて。

「あ……あ……」

じんわりと、痛みだけじゃない感覚が、背中を這い上がってくる。

ジンジンとペニスから広がって。

「ひぃっ……」

でも、かすかな快感も、ズルッと佐藤のペニスが動くと、頭の中ではじけた。

「いた……あぁぁ……」

縛られている両手の爪先まで。力が入って、唯との身体の間に挟まれている手が。まっ白になってしまっている。

「可哀想に。せっかく、先生も気持ちよくして上げようかと思ったのに」

唯が、ギュッギュッとペニスを握り込んでくる。

後孔が痛すぎて、ペニスの感触なんて無いのに。

唯の手の中の自分のペニスが。勝手に硬くなっていっている。

刺激に、反射的に、勝手に身体が反応していて。

自分の身体じゃないみたいだ。

自分の意思で、全然制御できない。

「ひぃぃ……う……うごか…さない…で……」

「どっち、を?

からかうように、佐藤が腰を動かしてきた。

「ひ……い……いた……」

唯のと同じように。身体の奥まで異物が入ってくる。

身体が、完全に引き裂かれたようで。

痛いのと、唯の手がからまっているペニスの感触がダイレクトにジンジンと脳まで響いてきていて。

「あぁ……ひ……」

訳がわからない。

頭の中が混乱していて。

グルグルと原彩色がまわっている。

「ほら、先生のペニスも、勃ってきた…」

唯が身体の間にある、性器を指でギュッと握りこんできている。

「う……」

たしかに。唯の手の刺激で、勝手に硬くなって、屹立していっている。

でも、快感よりも、後孔の痛みの方が激しすぎて。よく分からない。

「気持ちいいんでしょう? 先生、ほら、こんなにもケツの穴が締めつけてきて」

「あぁ……血がドクドク出ている。面白い」

佐藤の声に、たしかに、ぬるっとした感触が太腿を伝わっていっている。

「ひぃ………う……」

「たまらないな…。先生がカワイイから…」

「あぁ……突っ込めば突っ込むほど、ケツの穴が広がっていって…」

佐藤が、腰を押しつけてきた。

「あ……う……」

腰を、佐藤の手ががっちりと掴んでいる。

「ひ……ひぃぃ……」

ズルズルと滑った感触がして。股間から、唯の血と体液に濡れたペニスが引きずり出されてきた。

そのまま、内臓まで引き出されそうな気がする。

「あ……あ……」

少しだけ、身体を圧迫している感触がマシになったか…と思うと同時に。空いた唯のペニスの部分まで押し込んでくるように、佐藤が、腰を押しつけてくる。

「ひ……ひ……や……やめ……」

さっきよりも、苦しい気がする。

佐藤のペニスが、身体の奥まで突き上げてきた…。

と感じる間もなく、今度は、後孔の後側が引きずり出される。

「あうっ……うぅぅ……」

交代に、今度は、唯のペニスが。奥を突いてくる。

「ひぃ……ぅぅぅ……」

交互に、唯と佐藤のペニスが、後孔の奥まで入ってくる。

「ひ………ひ……」

身体が休まる間がない。

耐えず頭の先まで、どうしようもない圧迫感が迫り上がってくる。

苦しいのと、内臓が、引きずり出されるんじゃないか……という恐怖で。身体が硬直してしまって。

2人のされるがままになるしかない。

「あぁ………イイよ。アンタのケツの穴。ほら、こんなにも締めつけてきて」

佐藤が、耳に噛みついている。硬い歯の感触は分かるけれど。

「ひぃぃ……」

「気持ちいいですよ、先生。あぁ……最高だ……」

唯も、腰を動かすと同時に、ギュッギュッとペニスを握りこんできている。

「あう……あ……あつ……」

「イイっ……あぁ……」

背後で、佐藤の身体がブルッと震えて。

後孔からじんわりと熱い感触が広がっていく。

「あぁ……イイですよ……先生…」

ズルッと佐藤のペニスが引き抜かれると同時に。

唯の腰が限界まで押しつけられた。

「ひぃ……く……くるし……」

さっきよりも熱い感触が。ピシャリと腸奥に打ち付けられる。

「う……うぐ……」

身体の中が。

熱い粘液でいっぱいになってしまっている。

逃げ場がないように苦しい。

「ひぃぃ………あつ……く…」

「あぁ……う……」

唯がグイグイと腰を押しつけて、息をつまらせた。

「い……い…」

ペニスが、唯の手でギュッと握りしめられて、息苦しいような。

「う……あうっ……」

唯が、かすかに息を吐く音が聞こえて。

ズルッと音をたてて、腰を離した。

「あ……う……」

腸まで、引きずり出されて居るんじゃないか…と怖い。

麻痺してしまって、後孔の感触がなくて。

「あぁ……先生、気持ちよかったですよ。

 先生の尻…」

「あ……」

視線を落とすと、唯の萎びたペニスが滲んで見えた。

 

後孔を支配していた圧迫感はなくなっている。

でも、まだ、苦しい。

息をするたびに、切れてしまっている後孔の襞がヒクヒク痙攣するのが分かる。

 

「ひ……」

「可哀想に。先生も気持ちよくなりたいでしょう」

「い……」

ぎゅうっと唯の手が、ペニスを握りこんできた。

「い……い……」

いいから……それよりも、離してくれって言いたいのに。

息をするのも苦しくて。

言葉が紡ぎ出せない。

「あ……あ……」

乱暴に、唯の手が、ペニスをしごいている。

敏感な先端の尿道口も指の腹でゴシゴシと擦り上げて。

「う……うぅぅ……」

身体が、勝手に、ビクビクッと痙攣した。

「あ……う……で……でるっ……」

反射的に身体がしなって。

「あぅ………」

唯の手の中で、ペニスの先端から、白濁とした粘液がにじみ出た。

「う……うぅ……」

苦しい。

息を吸うのも、吐くのも。ゼイゼイという、小刻みな呼吸しか出来ない。

「あぁ……出ましたね。

 先生、かわいい」

唯が、のんきに、むに、と頬をつまんできている。

でも、下半身の感触に身体が支配されていて。

頬を触れられているのも、他人事のようで。

 

苦しい。

ただ、苦しくて、なんで、こんな目にあっているのか。よく分からない。

「やっぱり、先生はかわいい。ねぇ、カワイイだろう…。佐藤…」

身体に力が入らなくて。どうしても、唯の肩に頭を預けるようになってしまう。

視界の隅で、唯が服をただしている。

「……そうですね……。よかったですよ」

後から、佐藤の声が聞こえた。

「ひ……」

と同時に、グイと後頭部の髪の毛が掴んで、引っ張られた。

足に力が入らなくて、身体が崩れ落ちる。

慌てて、畳に手を着こうとすると、ズルッと手が滑った。

「あ……」

畳の上に、点々と血が落ちている。その上に、手を着いてしまったらしい。

見上げると、唯も、佐藤も、服をなおして。

自分だけが、下半身を露出させて。

顔も、涙でグチャグチャで。

よく見えない。

視界が、ぼんやりと滲んでいる。

 

ただ、2人が、自分よりも、絶対的に強者のようで。

怖い。

また、後孔から、ジワジワとした痛みが広がってくる。

「あ……あ……」

なんで、とか。

色んな言葉が頭の中に浮かんでは、もやもやと消えていく。

「ひ……」

滲んだ視界の中で、ゆらっと唯の身体が揺れた。

恐怖のせいで、頭の中のスイッチが。

プチンと音をたてて、切れた。

 

グラッと身体が揺れて。

 

なんで…と言葉に出したかったけれど。

 

それよりも先に。意識の方が。

口からでで行くように。

身体から離れていった。

2011 12 25 UP
うーん………なんか、なかなかのらないなぁ……なんておもいつつ書いた物で、とってもとっても不安です。
でも、小説家ネタっていうのは、ぜひ、書いてみたかったので、書いてみました。
やはり、登場人物には、名前があると、書きやすいですね。私は、ついうっかり、登場人物に名前をつけずに書いてしまうことが多いので、今回は、そういう意味では、とても書きやすかったです。
小説家ネタって、個人的には大好きです。というか、サラリーマンも好きなんですが…。

今年最後の更新になるとおもいます。

来年も、どうか宜しくお願い致します。
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